バルセロナ
2 - 3
バレンシア
7
Aサンチェス
44
パレホ
48
ピアッティ
52
メッシ
59
アルカセル
マルティーノ監督
「開始から30分で試合が終わったような感覚があり、そのツケを払わされた。ちゃんと勝負を決めなければならなかった」
「敗戦すれば、不安が我々を襲うことになる。リーガであれば、なおさらだよ。一回敗戦すれば、優勝の可能性がそのまま減るのだからね。しかしながら、今後も迷うことなく戦い続けなければならない」 Goal.com
ピッツィ監督
「前半はアグレッシブな姿勢を欠いたが、後半にそれを手にできたね。後半は試合を支配でき、後方が苦しむことはなかった。よってカウンターから危険な場面を生み出せた」Goal.com
バルセロナ
なぜホームで逆転され負けてしまったのか。これはまさにマルティーノ監督が語る「開始から30分で試合が終わったような感覚があり」という点が大きい。
ライン深く守備を固めたバレンシアに対して、7分に
Aサンチェスが先制するまでの流れ。そして、その後の
メッシが下がって受けボールをキープしつつゲームメイクし、最前線では
Aサンチェスが裏への飛び出しを伺う展開。このような出だしで、シュートも2桁を数えた開始30分までの流れは完璧だったと言ってよい。
しかし、逆に完璧にゲームを支配しすぎたことで緩みが出てしまったことが、その後の展開を大きく左右することとなった。特にスコアは1-0にも関わらず、それ以上の点差をつけているかのような
錯覚に陥ってしまいそうなほど、バルセロナの中盤でのボール回しに対するバレンシアのプレッシャーはなかった。
その後の展開はバレンシアの項目に記すが、こうしてゲームを支配し落ち着いた所を突かれ、終了間際に失点を許してしまう。こうしてスコアをタイに戻され、ペースを狂わされてしまった。
後半に入ってもバレンシアは強気で前に出た。PKによる
メッシのゴールはあったものの、後半15までに2失点と、明らかに流れはバレンシアに傾いており、流れを変える必要があった。
そこで65分、
シャビに代えて
イニエスタを投入し、再び主導権を奪うため修正を図る
マルティーノ。しかし、中盤やサイドでボールこそ持てるものの最後のフィニッシャー不足で、ボールを受けに下がってくる
メッシにもしっかりマークが付いており、容易に裏にパスを出せる状況ではなかった。
76分には
セスクに代えて
テージョを投入。左サイドで組み立てておいて、空いた右サイドのスペースにロングパスを通し
Dアウベスや
ペドロにパスが受けて突破、という展開を作り始める。しかしバレンシア守備陣の寄せも早く、突破やクロスまで持って行くことができずに敗北。バルセロナはビルバオ戦以来2敗目、ホームでのリーグ戦25連勝も途切れる厳しい結果となった。
選手個人の名を挙げれば、
メッシは決定機を何度か作りシュートまで持ち込んだがGKの
Dアウベスに阻まれ、PK以外でゴール挙げることはできなかった。ドリブルのキレは戻っているだけに、CLも再開するこれからに期待したい。
そしてもう一つ。左サイドバックの
Jアルバの守備について。この試合では2枚のイエローで退場し、さらに3失点ともすべてこのサイドを崩されての得点となった。もちろんすべての責任が
Jアルバにあるわけではなく、また攻撃での貢献を求められている選手ではあるのだが、あまりにも簡単に抜かれてしまっていて、いくら点を取ってもこういう事態が起こりうると勝ちは厳しくなる。
バルセロナの失点シーン
まずは1失点目。前方からのパスに体を入れた
フェグーリ。その後ろからスライディングでボールを奪いに行くが奪えず、最終的に
Jアルバが上がったスペースを使われ失点。バレンシアに流れを持って行かれた。
次に2失点目。このシーンでは右サイドバックからオーバラップした
バラガンに裏を取られ、クロスを上げられた結果、逆転を許してしまった。
①最後に3失点目のシーン。ピアッティが前に出てボールを受け取りに行こうとするが、そこにはJアルバがチェックに付く。一方でフェグーリには誰も行かずにノーマークに。この場面でもバルセロナの選手は守備意識を欠いており、ボールに目がいってしまっていた。逆転されて追いついた後だっただけに、攻めの気持ちが強すぎたのだろうか。
②ボールを受けたフェグーリに対してもプレスは緩く簡単に突破されてしまう。
③突破された後もコースを消す、あるいは飛び込むことはできなかった。また、センターバックのピケも終始ボールウォッチャーとなっていてアルカセルは難なくゴールを決めることができた。
バレンシア
前半は押し込まれながらも後半に逆転し、3点を奪っての勝利。前後半で全く違うサッカーを見せることとなったバレンシアのキーポイントはどこにあったのか。
それは前半終了間際に上げた得点を見て、この日のバルセロナに対しては自陣深く引いてからのロングカウンターより前から積極的にボールを奪い、そこから攻撃を仕掛けたほうが勝てると読んだ
ピッツィ監督の手腕と言ってよいかもしれない。
選手自身も前半に1点返したことで、「もっと仕掛けて行ける」という意思が出たに違いない。その成果が、上にある数人でのカウンターシーンを生み出した。
①まずは前半のバレンシアの守備位置の一部を見ていく。最終ラインはPAライン付近に陣取り、中盤の1-4の5人もバルセロナのこの位置でのパス回しにはほとんどプレッシャーをかけなかった。その結果、縦に容易にパスを出させてしまっていた。
②次に後半の布陣。後半は陣内で攻撃を組み立てるバルセロナに対し、前半よりもラインを上げ、中盤の選手も深い位置からボールホルダーにチェックに行ける状況を作り出し、パスを自由に出させなかった。
前回対戦した
3節には最終ラインがもっと高い位置を取り逆に裏を取られて失点を重ねたのだが、今回はあくまでも少し押し上げたという形になる。それでもこの試合で2失点はしており、(2ゴール目のPKのハンド判定は微妙だった)固い守備を見せたとは表現できないが、攻撃面での成果確実にあった。
12月に
ジュキッチ監督が解任され、今年に入ってからもここ最近5試合で勝利なし。さらに、
パボン、ポスティガ、グアルダードを放出するなど暗い話題の多かったバレンシアだが、元バルセロナの
Sケイタの獲得が決まり、この試合での勝利をきっかけに再び上昇していけるだろうか。
■過去の分析試合