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2013/02/09 LaLIGA 23節 セビージャ v バルセロナ



  セビージャ 7th
1 - 4
  バルセロナ 2nd

15   Aモレノ
35   Aサンチェス
44   メッシ
56   メッシ
88   セスク


  セビージャ


エメリ
監督
「ニコ・パレハがリオネル・メッシとボールを競い合い、そのプレーによってバルサのセットプレーからの同点弾が生まれた。それがチームの動きを制止することになった。審判はそのプレーから、すべてのフィジカルコンタクトで笛を吹くべきと解釈したんだよ。そうして我々の選手たちは、バルセロナ相手に必要な厳しいプレッシングを仕掛けられなくなった」Goal.com

前回対戦の4節では、終盤に追い付きながらもアディショナルタイムにAサンチェスにゴールを許し惜しくも敗北したセビージャ。今回も途中まではどちらが勝ってもおかしくない展開となった。


右サイド主体の攻撃

 
FourFourTwo
この日はバルセロナの左サイドバック、アドリアーノが上がった後のスペースとを使うことをチーム全体で意識。中央のラキティッチも右サイドに流れての攻撃が主体で、バルセロナの弱点であるセットプレーからのチャンスも多く作った。



①右サイドで縦パスを受けたラキティッチは、寄せてきたピケを交わしPA内に侵入する。ここでカバーに入っていたソングが次に対応に出るが、



ラキティッチはここでフィゲイラスとワンツーで難なく突破し、マイナスのパスを出す。最後はAモレノがシュートを放ち先制点を奪った。


セビージャのボール奪取位置

先制後も、セビージャはバルセロナ相手に前からプレッシングをかけ、積極的に前に出ていくことで攻撃を封じた。



①中盤に一人を残し、4+トップに入ったバッカの5人でバルセロナのビルドアップに対してプレッシャーをかけていくセビージャの前線。それに対し、モントーヤは一度後方のバルトラに下げる。



バルトラは更にVバルデスまで戻し、そこから反対サイドのピケに展開することで打開しようと試みる。



③左サイドでパスを受けたピケ。ここでイニエスタ、そしてアドリアーノが下がってパスを受けに来るが、ここにもセビージャの選手はしっかりチェックに行くことでフリーにさせなかった。


こうして、トップ下のラキティッチが前線から守備に組み立てにと貢献し流れを掴んだセビージャ。にもかかわらず負けてしまったの理由として、本来オフサイドであるはずのゴールが認められて同点に追いつかれてしまったことを挙げておきたい。とはいっても理由はこれだけではではない。暴風雨が吹き荒れ、水を置く含んだピッチの状態で、後半何度も合ったチャンスを決められなかったことも確かなのである。


逆にこの状態でも平然とゴールを奪ってみせる男がいた。バルセロナとセビージャの違いはまさにそこだった・・・




  バルセロナ


マルティーノ監督
「これだけの差がついたのは、自分たちがペースをつかんだ時間帯に決定機を物にしたからだ。しかし今日は0-2、2-2とされる可能性もあった。我々の開始から20分間のプレーは良いものではなく、後半に改善することができた。一方セビージャも、バルサと同様に5~6度の決定機を迎えた」 

「チームが少し改善されたプレーを見せることを常に望んでいる。だがセビージャはアグレシッブで、打ち破るのが難しいチームだ。ライバルにも長所があり、バルサの良し悪しだけが問題ではないんだよ」Goal.com


バルセロナの守備位置


FourFourTwo
左がセビージャ、右がバルセロナの守備機会。この日のバルセロナは深い位置での守備が多かった。


先制され、押し込まれる時間もあったバルセロナ。それでもメッシのFKをAサンチェスが合わせ同点に追い付くと、終了間際に逆転、後半にも追加点とダメ押しの3点目を奪ってリードを広げた。どちらもがカウンターからの得点であり、その2ゴールを挙げたのはもちろんこの選手。


メッシの2ゴール


雨によってぬかるんだピッチでセビージャの選手がシュートをうまく枠内に飛ばせないでいる中、メッシだけは別次元のシュートコントロールでゴールを挙げていく。ここではそのテクニックを見ていこう。


1点目

まずは44分の得点シーン。アドリアーノがカウンターで持ち上がり一気に相手陣内へ攻めこむと、前で待っていたペドロにパスを出す。そのペドロがドリブルで相手を引きつけながら中央のメッシにマイナスのパスを出したところから。


ここでまずメッシは、一旦トラップしてボールを浮かせることでピッチの問題を無効化。そしてダイレクトでゴール右隅へ突き刺すシュートを放ち得点を挙げた。この一瞬の発想、そして相手が寄せてくる中でPA外からシュートまで持ち込める冷静さと技術。どれが欠けてもゴールまでは到達することができないだろう。



2点目

①次は56分の2点目のシーン。自陣からソングが縦に突破し左のイニエスタにパスを出す。そのままイニエスタが前へ持ち上がり、中で並走するメッシにパスを出したところから。



②Pアーク前でボールを受けるメッシは、このボールを相手の密集している側へ右足でトラップ。



③スペースのある方へ抜け出すと読んだパレハは、ここで逆を突かれてしまった。



④こうしてメッシはゴール隅を狙ったシュートを冷静に決めて突き放した。メッシのこのトラップが意図的だったのかはわからない。だがこのピッチ状態、そして加速中の体勢ながらシュートまで結びつけ、劣勢の中で2点を決められる選手はそうそういない。


終盤には途中出場のセスクが4点目を奪ってスコア的にはバルセロナの圧勝となったが、シュート数はセビージャのほうが多いなど楽な試合ではなかった。それだけに激しい首位争いが続くリーガで勝ち点3をとれたのは大きい。


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