セビージャ 7th
1 - 4
バルセロナ 2nd
15
Aモレノ
35
Aサンチェス
44
メッシ
56
メッシ
88
セスク
セビージャ
エメリ監督
「ニコ・パレハがリオネル・メッシとボールを競い合い、そのプレーによってバルサのセットプレーからの同点弾が生まれた。それがチームの動きを制止することになった。審判はそのプレーから、すべてのフィジカルコンタクトで笛を吹くべきと解釈したんだよ。そうして我々の選手たちは、バルセロナ相手に必要な厳しいプレッシングを仕掛けられなくなった」Goal.com
前回対戦の4節では、終盤に追い付きながらもアディショナルタイムに
Aサンチェスにゴールを許し惜しくも敗北したセビージャ。今回も途中まではどちらが勝ってもおかしくない展開となった。
右サイド主体の攻撃
FourFourTwo
この日はバルセロナの左サイドバック、
アドリアーノが上がった後のスペースとを使うことをチーム全体で意識。中央の
ラキティッチも右サイドに流れての攻撃が主体で、バルセロナの弱点であるセットプレーからのチャンスも多く作った。
①右サイドで縦パスを受けた
ラキティッチは、寄せてきた
ピケを交わしPA内に侵入する。ここでカバーに入っていた
ソングが次に対応に出るが、
②
ラキティッチはここで
フィゲイラスとワンツーで難なく突破し、マイナスのパスを出す。最後は
Aモレノがシュートを放ち先制点を奪った。
セビージャのボール奪取位置
先制後も、セビージャはバルセロナ相手に前からプレッシングをかけ、積極的に前に出ていくことで攻撃を封じた。
①中盤に一人を残し、4+トップに入った
バッカの5人でバルセロナのビルドアップに対してプレッシャーをかけていくセビージャの前線。それに対し、
モントーヤは一度後方の
バルトラに下げる。
②
バルトラは更に
Vバルデスまで戻し、そこから反対サイドの
ピケに展開することで打開しようと試みる。
③左サイドでパスを受けた
ピケ。ここで
イニエスタ、そして
アドリアーノが下がってパスを受けに来るが、ここにもセビージャの選手はしっかりチェックに行くことでフリーにさせなかった。
こうして、トップ下の
ラキティッチが前線から守備に組み立てにと貢献し流れを掴んだセビージャ。にもかかわらず負けてしまったの理由として、本来オフサイドであるはずのゴールが認められて同点に追いつかれてしまったことを挙げておきたい。とはいっても理由はこれだけではではない。暴風雨が吹き荒れ、水を置く含んだピッチの状態で、後半何度も合ったチャンスを決められなかったことも確かなのである。
逆にこの状態でも平然とゴールを奪ってみせる男がいた。バルセロナとセビージャの違いはまさにそこだった・・・
バルセロナ
マルティーノ監督
「これだけの差がついたのは、自分たちがペースをつかんだ時間帯に決定機を物にしたからだ。しかし今日は0-2、2-2とされる可能性もあった。我々の開始から20分間のプレーは良いものではなく、後半に改善することができた。一方セビージャも、バルサと同様に5~6度の決定機を迎えた」
「チームが少し改善されたプレーを見せることを常に望んでいる。だがセビージャはアグレシッブで、打ち破るのが難しいチームだ。ライバルにも長所があり、バルサの良し悪しだけが問題ではないんだよ」Goal.com
バルセロナの守備位置
FourFourTwo
左がセビージャ、右がバルセロナの守備機会。この日のバルセロナは深い位置での守備が多かった。
先制され、押し込まれる時間もあったバルセロナ。それでも
メッシのFKを
Aサンチェスが合わせ同点に追い付くと、終了間際に逆転、後半にも追加点とダメ押しの3点目を奪ってリードを広げた。どちらもがカウンターからの得点であり、その2ゴールを挙げたのはもちろんこの選手。
メッシの2ゴール
雨によってぬかるんだピッチでセビージャの選手がシュートをうまく枠内に飛ばせないでいる中、
メッシだけは別次元のシュートコントロールでゴールを挙げていく。ここではそのテクニックを見ていこう。
1点目
まずは44分の得点シーン。
アドリアーノがカウンターで持ち上がり一気に相手陣内へ攻めこむと、前で待っていた
ペドロにパスを出す。その
ペドロがドリブルで相手を引きつけながら中央の
メッシにマイナスのパスを出したところから。
ここでまず
メッシは、一旦トラップしてボールを浮かせることでピッチの問題を無効化。そしてダイレクトでゴール右隅へ突き刺すシュートを放ち得点を挙げた。この一瞬の発想、そして相手が寄せてくる中でPA外からシュートまで持ち込める冷静さと技術。どれが欠けてもゴールまでは到達することができないだろう。
2点目
①次は56分の2点目のシーン。自陣から
ソングが縦に突破し左の
イニエスタにパスを出す。そのまま
イニエスタが前へ持ち上がり、中で並走する
メッシにパスを出したところから。
②Pアーク前でボールを受ける
メッシは、このボールを相手の密集している側へ右足でトラップ。
③スペースのある方へ抜け出すと読んだ
パレハは、ここで逆を突かれてしまった。
④こうして
メッシはゴール隅を狙ったシュートを冷静に決めて突き放した。
メッシのこのトラップが意図的だったのかはわからない。だがこのピッチ状態、そして加速中の体勢ながらシュートまで結びつけ、劣勢の中で2点を決められる選手はそうそういない。
終盤には途中出場の
セスクが4点目を奪ってスコア的にはバルセロナの圧勝となったが、シュート数はセビージャのほうが多いなど楽な試合ではなかった。それだけに激しい首位争いが続くリーガで勝ち点3をとれたのは大きい。
■過去の分析試合
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