ドルトムント 2nd
0 - 3
バイエルン 1st
66
ゲッツェ
85
ロッベン
87
ミュラー
クロップ監督
「正直、失点の数はどうでもいい。最後の2点は、試合を正しく反映したものではない。バイエルンは我慢強かった。先制されるまで、我々の方が好機をつくっていたと思う。このような試合で何かを得ようと思ったら、しっかり決めなければいけない」
「なぜ、我々はペナルティーエリアでマリオ・ゲッツェをあれほどフリーにさせたのかを自分たちに問わなければいけないだろう。2点差になって、チームは完全に失望した様子だった。その前の場面でマルコ・ロイスがファウルで止められたと思ったので、冷静さを欠いたのかもしれない。その後はバイエルンにスペースがあったし、我々としても奇跡を信じることはできなかった」Goal.com
グアルディオラ監督
「今日の相手は、世界最高のカウンターを持つチームだった。ヤクブ・ブワシュチコフスキ、マルコ・ロイス、ヘンリク・ムヒタリャンらを自由に走らせていたら、止めることはできなかっただろう」 「最初の15分は、我々の方が良かったと思う。しかし、そのからハーフタイムまでのプレーには満足していない。中盤に問題があったね。後半の方がうまくいったよ」 Goal.com
ドルトムント
前半開始から15分辺りまではバイエルンに一方的にポゼッションを許し、なかなか流れが掴めない状況が続く。それでも、20分過ぎからは精力的に前からのプレッシングを掛け速攻で数的優位を作り出し、ゴール前へ侵入することに成功。
特にセンターバックが
パパスタソプーロスと
Mフリードリヒの急増コンビのため、後ろからのビルドアップは極力使わず、前線の選手は奪ったらドリブルで果敢に仕掛ける場面が目立った。それでも
ボアテング、ダンチ、ノイアーの3人がゴール前に立ちはだかり、ことごとく弾き返されて得点は奪えず前半は終了。
こうして前半は飛ばして運動量の多かったドルトムントだが、後半は逆に攻め込まれ3失点を喫してしまう。ドルトムントからしてみれば、やはり攻め込んだ前半にどうしても得点が欲しかったに違いない。先制点を奪われた後には
ホフマン、
オーバメヤン、さらに手術のため長期離脱していた
ピスチェクもを投入したが逆にカウンターから追加点を奪われてしまった。怪我人続出という事もあり今シーズンはこういった展開が多く、今後に不安の残る厳しい試合になってしまった。
バイエルン
3点を奪い圧倒して首位対決を制したバイエルン。前半こそ相手に攻め込まれる場面はあったものの、守備陣が堅い守備を見せ得点を許さずに前半を終えると、後半途中(55分)から
グアルディオラ監督は
マンジュキッチに替えて今季ドルトムントから加入した
ゲッツェを投入する。さらにペップは動く。センターバックの
ボアテングを下げ怪我から復帰したばかりの
チアゴを投入し
Jマルティネスをセンターバックに置き、明らかな攻撃表明で選手のスイッチを入れる。
先制点のシーン ラームの相手を引き寄せるドリブルとゲッツェのシュートテクニック
①はじめに、中盤の底でボールを持った
ラームが前へ仕掛けていく。これに対して
シャヒンと
Sベンダーの二人はスペースを埋めるために前に出て行く。さらに
ロイスも内側へと寄って行く。
②こうして敵を引きつけておいて、人の少なくなった右サイドへパスを送る。
③パスを受けた
ミュラーはプレッシャーの緩い状態で中へパスを送る。これに対して、ドルトムント守備陣は対応できず
ゲッツェにボールを渡してしまう。その原因として、ボランチの二人は
ラームに寄せたことで戻り遅れてしまったこと。また、両センターバックも
ロッベンが中へ入り込んできたことで、そこに注目がいってしまい、そのためマークにズレが生じて
ゲッツェをフリーにしてしまったことが挙げられる。
④そして最後の場面、
ゲッツェはパスを受けるとコースを消される前にすぐさまトゥーキックでシュートを狙い、キーパーのタイミングを外してゴールを決めた。ここで冷静にこのシュートの選択ができるセンスは
ゲッツェならではだろう。
こうして1点リードしたバイエルンに対して、ドルトムントは点を奪うために前がかりに攻めてきたが、そこでも守護神
ノイアーがシュートブロックで得点を許さない。そうすると逆にカウンターのチャンスが訪れる。
ロイスの左サイドからのドリブルに対して、
ダンチが激しくボールを奪い、そのまま
クロース→ゲッツェ→チアゴと繋く。ボールを受ける
チアゴはその前に逆サイドの状況を一瞬確認し、フリーの
ロッベンへサイドチェンジのロングパスを通す。そしてパスを受けた
ロッベンはそのままドリブルで駆け上がり、エリア内に侵入すると、飛び出す
ヴァイデンフェラーをあざ笑うかのようなチップシュートで追加点を挙げた。
視野の広さとロングパス精度の高さという
チアゴの特徴が生きたカウンターシーンだった。
3点目のシーン ロッベンとラームのコンビネーション
①
ロッベンがパスを受けると中央へドリブルしながらゴール前へ詰めていく。これに対し、ドルトムント守備陣はまず
ドゥルムが対人し、続いて
パパスタソプーロスもサポートに走る。そして、
ミュラーに対しては
Mフリードリヒが下がって対応することになる。
②カットインしてきた
ロッベンのコースを完全に塞いだ守備陣。しかし大外から
ラームがオーバーラップしパスを受けると、一気に形勢が変わる。
③エリア内でフリーとなった
ラーム。ここに急いでチェックに行くものの時すでに遅し。また、
Mフリードリヒが
ミュラーにマークを外されたこともあってあっけなく失点してしまった。
この右サイドでのコンビプレーはバイエルンの必殺パターンで、昨季の
シュツットガルト戦や2節の
フランクフルト戦でも同じようなシーンが見られた。さらに言えば、同カードとなった昨シーズンの
チャンピオンズリーグの決勝戦の先制点も、左サイドではあるが同じようなパターンでの攻撃だった。
特に
ロッベンがドリブルで侵入してくると一人では止められないため、どうしても他が手薄になってしまう。つまり人数がある程度揃っていても止められないのが、この得点パターンの特徴でもある。こうして首位決戦を制したバイエルンはそのまま勢いに乗って勝ち点を積み重ねていきそうだ。
■過去の分析試合
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