バイエルン
3 - 1
ボルジアMG
12
ロッベン
16
マンジュキッチ
40
OG
67
アラバ(PK)
グアルディオラ監督
「我々にとっては、最初の3〜4試合では結果が必要なんだ、何人かの選手はまだ100%の状態では無いしね。後半の15分間ではもっとうまく、試合を支配しなければならなかったよ。PKの場面については、2度ともに正しいと思う。」
ファブレ監督
「我々はバイエルンと競いたかったし、ここで勝ち点を取るだけの幾つかのチャンスもあった。前を向いて、勇気を持って取り組まなくてはならないものだし、我々はそうトライしていたよ」
kicker公式
バイエルン
昨シーズンまでの4-2-3-1システムから4-1-2-3となり、単純に言えば中盤の守備を1枚減らして攻撃側にポジションを1枚増やしたこの試合のバイエルン。もちろん守備面で言えばシュバインシュタイガーの負担が増え、カウンター時の危険は伴うこともあるかもしれない。それでもこのシステムにするメリットは、ミュラー、クロース、リベリ、ロッベンを攻撃的なポジションで同時に起用できることだろう。
グアルディオラ監督はこの試合でバルセロナ時代と同様に、最終ラインを押し上げて常に高く保った状態でボールを保持した。そこからセンターバックが高い位置を取った左サイドバックのアラバへパスを出し、クロース、リベリと三人で三角形を作りながら前へ攻め込む。敵がボールを奪いにサイドに寄ってくると、今度はすかさず逆サイドへサイドチェンジし、大きくできたスペースを使いラームとロッベンがゴール前へ侵入する。こういったパターンが多く見受けられた。
試合の先発メンバーは昨シーズンから在籍していたメンバーで構成された事もあって攻撃面の連携はスムーズで、12分、16分と立て続けにゴールを奪いあっという間にリード。40分に失点は許したものの後半にもう1点追加し、シュート26(枠内9)本を放ち開幕戦を勝利で飾った。
このように攻撃面は通常運行という状態だったが、守備面ではまだまだ改善も必要な点が見られた。それは3枚で構成された中盤の守備の問題である。
シュバインシュタイガーをアンカーに置き、その前に
ミュラー、
クロースが並ぶ3センターは攻撃面では魅力的だが、カウンター攻撃を食らうと脆さを見せていた。
その理由は
ミュラーと
クロースが中盤のフィルター役、あるいは潰し役としての機能をそこまで果たせていなかったという点にあるのかもしれない。バイエルンは両サイドバックが高い位置を取るため、
シュバインシュタイガーは攻撃時に下がってセンターバックの
ボアテング、
ダンテと同じ位置を取り最終ラインが3枚となり、そこからビルドアップをする事が多い。そうなるとカウンター攻撃を受けた場合、必然的に
ミュラーと
クロースが中央の守備を任されることになる。(
ボアテング、
ダンチは下がりつつ攻撃を待ち構え、
シュバインシュタイガーはその間に前との距離を詰め守備体形を整える。)
つまりこの時に
クロースと
ミュラーには素早く攻撃から守備へ移り、相手の攻撃の第一波を抑え速攻を防ぐ必要がある。
グアルディオラ監督時代のバルセロナは、相手のカウンターに対して前線の選手も合わせ、素早く相手のボールホルダーに寄せることで速攻をさせずにリスクを軽減してきた。もちろんシーズンはまだ始まったばかりであり、勝つこともできたわけで成熟はまだ先になると思われるが、ここをどのように修正していくかが手腕の問われるところになるだろう。
□ バイエルンのシステム変動
①これはボルシアMGのゴールキック時の両チームの位置図である。色のついたラインは基本システムであるバイエルンの
4-1-2-3とボルシアMGの
4-2-3-1をなぞったものになる。
バイエルンの右サイドの
ロッベンと
ミュラーがポジションを変えている事は置いておいて、まず注目してもらいたいのが
シュバインシュタイガーの位置。これを見てもらうと、中盤底に入った
シュバインシュタイガーが最終ラインに吸収され、ボルシアMGのトップの
クルーゼをマークしている事がわかる。
②つまり実質的には5バックのような位置取り(
5-2-3)となっている。本来の
4-1-2-3で見られるセンターバックのどちらかがトップの選手をマークし、アンカーがトップ下の選手にマークするわけではないのが、ペップバイエルンの一つの特徴なのだろうか。これはこれからの試合を見ていくと徐々に分かって来ることだろう。
□12分 バイエルンの先制点のシーン
①GK
テア・シュテーゲンからのフィードを奪った
シュバインシュタイガーが前線へパスを入れる。このパスを
リベリが下がって受けに来る。
②
リベリはこのパスをワンタッチで最終ラインの裏へ送る。この時、ボルシアMGの守備陣がボールウォッチャーになっている瞬間に
ロッベンは間から裏へ走りこむ。
③こうして裏へ抜けだした
ロッベンがダイレクトで合わせ先制点を挙げた。このようにセンターサークルから2本のパスでゴールを挙げ主導権を握った。
□
3人を交わすリベリのドリブルテクニック【ダブルタッチ】
ボルジアMG
バイエルンが攻撃に枚数を掛けた時に、高い位置でプレッシャーをかけることでボールを奪い、手薄な守備陣を前にカウンターからシュートまで持ち込む形は出来ていたボルジアMG。前半終了間際には1点を上げ後半も
テア・シュテーゲンがPKを防ぐなど健闘したが、
Aドミンゲスの二連続ハンドもあり3失点目を喫し敗北した。
□67分 ボルシアMGのゴールシーン
①左サイドでボールを持った
ダームス。この時前線で
アランゴが
ラームの裏のスペースへ走りこむ。
②ここにしっかりパスを出した
ダームス。ここでは
ロッベンが縦に入りパスコースを消したかった。
③裏へ抜けた
アランゴ。これに対し
ボアテングがチェックへ行くも、最終ラインを一瞬確認したことで
アランゴとの距離を詰めきれなかった。
③プレッシャーなくグラウンダーの速いクロスを入れた
アランゴ。これに
ダンチは反応するも、思ったより速く伸びたボールに対しギリギリ足を出した結果オウンゴールを献上することとなった。
■最近の分析試合
2013/08/17 BUNDES 2節 フランクフルト v バイエルン
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