忍者ブログ

フットボール戦略論

欧州サッカーを中心に戦術・得点シーンを画像で解説


    最新試合分析
カテゴリー「■セリエA」の記事一覧

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今後の分析試合の目安にするので、読まれた方はクリックを是非 

2013/04/21 SERIE-A 33節 ユベントス v ミラン



  ユベントス 1st
1 - 0
  ミラン 3rd

57   ヴィダル


  コンテ監督
「拮抗した試合で、とても苦しんだ。だが、決勝点となったPKの判定に疑いはない。ミランは後半戦で負けていなかった。我々は素晴らしいチームらしい勝利を挙げたんだ。選手たちには拍手を送りたい。ドローではダメだったんだ。(同日の試合で)ナポリが勝っていたから、プレッシャーを少しかけられるところだった。我々は再び勝ち点差を付けたかったんだ」

「今後に向けて財政面の話をするのは避けられないことだ。少ない投資で勝つのはいつだって難しいことなんだよ。シーズン後に検討しよう。だが、私は今の選手たち、スタッフ、幹部たちに大きな愛情を感じている
Goal.com

  アッレグリ監督
「残念ながら、我々は2人の選手をケガで失った。(リッカルド・)モントリーヴォも万全ではなかった。拮抗した試合で、我々はユーヴェに多くを許さなかったが、ラスト16メートルでミスが多かった。ドローで終わるかと思われたが、守備における唯一のミスでやられたね」

「これだけの差があるのなら、そうなのだろう。だが、ミランの真の価値は来季分かる。ユーヴェと争えるかどうかが分かるはずだよ。そのときに私がまだベンチにいるか? 我々は後半戦でスクデット獲得ペースの結果を残してきた。残り5試合で失敗しないように願おう」
Goal.com

■ ミランの対ユベントス対策


前半15分にアッビアーティが負傷し、アメーリアを投入するといったアクシデントがありながらも、前半はミランが優位に試合を進めることができた。


なぜか主導権を握れたのかといえば、ユベントスの最終ラインに対してプレッシングをかけ続けたから。ユベントスは最終ラインのバルザーリボヌッチキエッリーニの3バックからゲームを作っていくチームだが、そこに対してミランのエル・シャーラウィパッツィーニロビーニョの3人がパスコースを塞ぎに行くことで攻撃の出目を潰すことに成功した。



■ ミランの前線からのハイプレスの例


①ユベントスはゴールキックから攻撃を組み立て始めるので、ブッフォンからキエッリーニへパスが通る。



②それに対しミランは前線の選手がここまで高いラインでプレッシャーをかけ、



Kアサモアへの縦パスに対しても二列目のボアテングが対応。



④こうして高い位置でボールに対処することで後半途中までは主導権を握っていた。


こうしてまず相手を抑えてポゼッションを握ると、左右ワイドにボールを散らしてユベントスの守備を揺さぶりにかける。この辺りの戦術はチャンピオンズリーグでバイエルンが採った戦術と同じで研究してきた成果が見られた。


それでも勝てなかったミラン


にも関わらず後半に得点を許し無得点で試合を終えることになったミラン。いったいバイエルンの戦い方と何が違ったのか。


それは①ベテラン選手の交替を余儀なくされ、②後半からプレスを強めたユベントスに対処しきれなかったこと。主にこの2つが原因となり、前半のようなポゼッションサッカーは潰されてしまった。


①を説明すると、後半から負傷によりアンブロジーニが退き、さらに前線の選手の運動量が落ちてくると、前半のプレッシングが見られなくなる。こうして71分に動きが止まっていたロビーニョに替わりボージャンが投入されたわけだが、テクニックのあるベテランを失いスムーズな攻撃は途絶えてしまっていた。


特に今回中盤に入ったボアテングムンタリはゲームメイカー的な役割を得意とはしていないこともあり、なおさら攻めの形を失ってしまった。


そしてユベントスが②であげた前半ミランが見せたような前線からのプレスを掛け始める。こうして流れを引き寄せ、中盤からピルロが得意のロングパスを裏へ通すと、抜け出したKアサモアアメーリアに倒されPKを得る。これをヴィダルがしっかり決め、これが決勝点となりユベントスが勝利する結果となった。


■ ユベントスの得点シーン


①まずピルロが自陣でスローインからのボールを受け前を向いた瞬間の図から。この時点でミランの3センターハーフの前に大きなスペースがある事がわかる。



②この時に前の動きを確認しつつ攻め上がる。この時に手前のムンタリはチェックに走り出しているが、




③ここでピルロが前にパスを出すモーションを入れたためムンタリは前に出るのを止める。



④こうしてフェイントを入れたピルロはスペースへさらに侵入し左サイドのKアサモアを確認。



⑤ここでムンタリは寄せるも既に遅く、得意の浮き球のパスを通され、



⑥PKを与える原因を作ってしまった。


このように後半気合を入れ直し、ワンチャンスをものにできる
事がここまで首位に立っているユベントスの強さだ。


ミランからすれば負傷者が出たことや
バロテッリという得点源が出場停止処分中だったことも不運ではあったが、現状のこの差をアッレグリ監督どう埋めるのか。今季はまだチャンピオンズリーグ出場権獲得という大事な任務が残るだけに注目したい。

【フットボール戦略論】
今後の分析試合の目安にするので、読まれた方はクリックを是非 
PR
プロフィール
野中 邦定
スポーツナビブログ
Translate
ブログ内検索
 
マルチドメイン
Copyright ©   フットボール戦略論   All Rights Reserv 忍者ブログ / [PR]

▲ TOP