ユベントス 1st
1 - 0
ミラン 3rd
57
ヴィダル
コンテ監督
「拮抗した試合で、とても苦しんだ。だが、決勝点となったPKの判定に疑いはない。ミランは後半戦で負けていなかった。我々は素晴らしいチームらしい勝利を挙げたんだ。選手たちには拍手を送りたい。ドローではダメだったんだ。(同日の試合で)ナポリが勝っていたから、プレッシャーを少しかけられるところだった。我々は再び勝ち点差を付けたかったんだ」
「今後に向けて財政面の話をするのは避けられないことだ。少ない投資で勝つのはいつだって難しいことなんだよ。シーズン後に検討しよう。だが、私は今の選手たち、スタッフ、幹部たちに大きな愛情を感じている
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アッレグリ監督
「残念ながら、我々は2人の選手をケガで失った。(リッカルド・)モントリーヴォも万全ではなかった。拮抗した試合で、我々はユーヴェに多くを許さなかったが、ラスト16メートルでミスが多かった。ドローで終わるかと思われたが、守備における唯一のミスでやられたね」
「これだけの差があるのなら、そうなのだろう。だが、ミランの真の価値は来季分かる。ユーヴェと争えるかどうかが分かるはずだよ。そのときに私がまだベンチにいるか? 我々は後半戦でスクデット獲得ペースの結果を残してきた。残り5試合で失敗しないように願おう」
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■
ミランの対ユベントス対策
前半15分に
アッビアーティが負傷し、
アメーリアを投入するといったアクシデントがありながらも、前半はミランが優位に試合を進めることができた。
なぜか主導権を握れたのかといえば、ユベントスの最終ラインに対してプレッシングをかけ続けたから。ユベントスは最終ラインのバルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニの3バックからゲームを作っていくチームだが、そこに対してミランのエル・シャーラウィ、パッツィーニ、ロビーニョの3人がパスコースを塞ぎに行くことで攻撃の出目を潰すことに成功した。■
ミランの前線からのハイプレスの例①ユベントスはゴールキックから攻撃を組み立て始めるので、
ブッフォンから
キエッリーニへパスが通る。
②それに対しミランは前線の選手がここまで高いラインでプレッシャーをかけ、
③
Kアサモアへの縦パスに対しても二列目の
ボアテングが対応。
④こうして高い位置でボールに対処することで後半途中までは主導権を握っていた。
こうしてまず相手を抑えてポゼッションを握ると、左右ワイドにボールを散らしてユベントスの守備を揺さぶりにかける。この辺りの戦術はチャンピオンズリーグで
バイエルンが採った戦術と同じで研究してきた成果が見られた。
それでも勝てなかったミランにも関わらず後半に得点を許し無得点で試合を終えることになったミラン。いったいバイエルンの戦い方と何が違ったのか。
それは①ベテラン選手の交替を余儀なくされ、②後半からプレスを強めたユベントスに対処しきれなかったこと。主にこの2つが原因となり、前半のようなポゼッションサッカーは潰されてしまった。
①を説明すると、後半から負傷により
アンブロジーニが退き、さらに前線の選手の運動量が落ちてくると、前半のプレッシングが見られなくなる。こうして71分に動きが止まっていた
ロビーニョに替わり
ボージャンが投入されたわけだが、テクニックのあるベテランを失いスムーズな攻撃は途絶えてしまっていた。
特に今回中盤に入った
ボアテングや
ムンタリはゲームメイカー的な役割を得意とはしていないこともあり、なおさら攻めの形を失ってしまった。
そしてユベントスが②であげた前半ミランが見せたような前線からのプレスを掛け始める。こうして流れを引き寄せ、中盤から
ピルロが得意のロングパスを裏へ通すと、抜け出した
Kアサモアが
アメーリアに倒されPKを得る。これを
ヴィダルがしっかり決め、これが決勝点となりユベントスが勝利する結果となった。
■ ユベントスの得点シーン
①まず
ピルロが自陣でスローインからのボールを受け前を向いた瞬間の図から。この時点でミランの3センターハーフの前に大きなスペースがある事がわかる。
②この時に前の動きを確認しつつ攻め上がる。この時に手前の
ムンタリはチェックに走り出しているが、
③ここで
ピルロが前にパスを出すモーションを入れたため
ムンタリは前に出るのを止める。
④こうしてフェイントを入れた
ピルロはスペースへさらに侵入し左サイドの
Kアサモアを確認。
⑤ここで
ムンタリは寄せるも既に遅く、得意の浮き球のパスを通され、
⑥PKを与える原因を作ってしまった。
このように後半気合を入れ直し、ワンチャンスをものにできる事が
ここまで首位に立っているユベントスの強さ
だ。
ミランからすれば負傷者が出たことやバロテッリという得点源が
出場停止処分中だったことも不運ではあったが、現状のこの差をアッレグリ監督どう埋めるのか。今季はまだチャンピオンズリーグ出場権獲得という大事な任務が残るだけに注目したい。
【フットボール戦略論】
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