ミラン 3rd
1 - 1
ナポリ 2nd
29
フラミニ
33
パンデフ
アッレグリ監督
「勝つためには、今日の前半開始25分間で見せたようなハイペースな戦いを続けていかなければならない。常にそれをキープするのは不可能だけどね。」
「ボアテングが負傷退場したことで、チームはアイディアを少し失ってしまった。ニアンはまだまだ成長期のプレーヤーなので、パフォーマンスにはばらつきがある。エル・シャーラウィには休養が必要だと感じていた。ロビーニョはテクニック面も含め良い働きをしてくれたと思っているし、交代も疲労が見えていたからだ。」
ミラン公式
マッツァーリ監督
「チームがした試合には満足している。だが、勝てなかったことには悔しさがあるね。あとは決定力だけだったんだ。我々は勝ち点3を持ち帰れたはずなんだよ。我々は良い試合をした。私は常にパフォーマンスを見ているが、それも良かった。出だしはブレーキに手をかけてしまっていたね。我々によくあることだ。だが、1-0とされて以降は、我々の方が良い結果に値した」
Goal.com
■ チャンピオンズリーグ出場権を懸けて争う2位ナポリと、それを勝ち点4差で追う3位ミランの対戦は互いに1点ずつ取り合いドロー。互いに自分たちの時間がありながらも勝ち越せなかったのは両チーム共に負傷による交替が大きかったように思う。
ミランのターニングポイント
ミランは試合開始から左右サイドを押し込み、ナポリのスニガ、マッジョの両ウイングバックを上がらせずに守備に回らせることに成功しサイドの主導権を得る。
さらに出場停止のバロテッリに替わってトップで先発したパッツィーニは先制のシーンでも上手くクサビのボールを受けて潰れ役になり、フラミニも中盤から気配を消しつつ上がっていき完璧なシュートを決めるなど最高の立ち上がりとなった。
しかしボアテングが前半37分に負傷してしまう。代役として投入されたニアングもボールこそ回ってくる場面は多かったが上手く受けられず、そこからの展開もなかったために攻撃は停滞した。
そしてロビーニョも疲れからか前半得点時に成功したような左サイドでボールを受け中に切り込み、パッツィーニにクサビのパスを出すといった動きはなくなり、前述のフラミニの退場で一人少なくなったこともあり勝ち越すことはできなかった。
ナポリのターニングポイント
先制点を許した後のナポリは押し込まれていた状況を打開するため、カバーニ、パンデフらが前線から積極的にチェイスしパスコースを塞ぐ、それによって守勢に回っていたスニガやマッジョが前へ上がる時間ができたことで勢いが付く。
その結果、アバーテとスニガが中盤でマッチアップしている中で空いた裏のスペースをハムシクが積極的に活用しチャンスを作り、その流れからパンデフがゴールを決め同点に追いついた。
ミランはこの前から再三侵入を許していただけに、本来はモントリーボやフラミニがマークに行くべきだった。この辺りはカウンターの巧いチーム相手に対して、守備のうまい選手でなくパスの巧いピルロを中盤の底に置くユベントス同様、リスクの高いシステムであることは間違いない。
この後も前半はナポリがサイドの主導権を取り、後半からは互角の攻防が続いた。ナポリは引いて守る時間もあったが、守備面ではブリトスの体を張った守備でパッツィーニら前線の選手にエリア内で仕事をさせなかったことも大きい。
それだけにハムシクが足をつったことでアルメロと交替せざる負えなかったのは痛かった。その直後のフラミニの退場により優位に試合を進められただけにゲームを作れる選手がいれば・・・と思わされた試合だった。
ミランは次も首位ユベントス戦と差を詰めるのには難しい試合が続く。それだけにアウェイのナポリの方が勝ち点4差を縮めさせなかったことだけに大きな勝ち点1となった。
■ ミラン先制点の場面
コンスタンから
ロビーニョにパスが通る。その後
ボアテングへパス。この時点で奥で
フラミニが走り始めているのがわかる。
ここで
ロビーニョが中へ入り
パッツィーニへのクサビのパスを送る。
この時
フラミニは上手く
ハムシクの裏から走りこむ。こういった場合ボールが逆サイドにあるので守備陣はボールウォッチャーになってしまう。なのでしっかりチェックされていない限りはこういった場面では走り込みやすい。
こうしてフリーでシュートを打つことが出来た。
■続いてはナポリの同点シーン
中盤で
ベーラミから
ハムシクへパス。
ハムシクは左へ流れサイドの
スニガへボールを渡す。ここで
アバーテは
スニガのチェックへ。この時、前の
パンデフは中盤の
モントリーボとセンターバックの
サパタの間にいる。
スニガへパスを預けた
ハムシクは
アバーテが上がったスペースへ走り込む。この瞬間に
パンデフはエリア内へ、しかし
サパタは縦を切りに行く。
ここで
モントリーボは
パンデフの走り出しに気づくも既に遅く、
ハムシクにパスを通される
そしてフリーでシュートを打つことが出来た。
この得点は
ハムシクが上手くサイドに引きつけパスと持ち味を十分に発揮したシーンとなった。そして映像で見るとよく分かるが、
ハムシクは
ベーラミからパスを受ける前から
パンデフへのラストパス時まで何度もルックアップし前の状況を確認している。普段から周りを見ているからこそ良いパスが通す事ができるのだ。
【フットボール戦略論】