スペイン
2 - 1
ウルグアイ
20
ペドロ
32
ソルダード
89
スアレス
デル・ボスケ監督
「良い試合だった。大半の時間帯で試合を支配することができたが、終盤に少し押し込まれてしまった。(終盤に)少しナーバスになっていたのは確かだ。落ち着きをもたらす3点目を決めるチャンスを、いくつか逃してしまったからね」
「ほとんど全てのことを正確にこなせていたと思う。クレバーに守備をして、すばやくボールを奪い、良いサッカーを展開した。ただ、(3点目を奪って)試合(結果)を決定付けることができなかった」
サッカーキング
タバレス監督
「スペインは我々よりもはるかに優れたチームだった。彼らは勝利にふさわしいよ。次のナイジェリア戦が最も重要な試合になる」
「我々は陣形を崩してしまい、ボールを奪うことができなかった。もっと論理的にプレーをしようと試みたが、世界トップのチームを相手に、落ち着いてバランスを保つことは難しかったんだ。2失点を喫しての敗戦は、チームに大きな打撃を与えるかもしれない」
サッカーキング
※ブラジルとスペインの決勝戦を前に準決勝の分析がまだ済んでいないので、とりあえずまだ公開していなかったグループリーグの試合の分析を載せておきます。
終了間際にに
スアレスの直接フリーキックで1点差に追い付かれるも、前半だけで2点を奪ったスペインが勝ち逃げ、初戦を勝利で飾った。
■ スペイン
開始から早いパス回しでポゼッションし続けたスペイン。特に今日は左ウイングに入った
セスクの動きにキレがあった。20分の先制点はコーナーキックのこぼれ球を
ペドロがダイレクトシュートで決めた形だったが、そのコーナーキックは
セスクの裏への飛び出しで得たものだった。
さらに2点目。この得点も
セスクが演出した
ソルダードの得点だった。なので、まずその得点シーンを見てもらおう。
□ スペインの2得点目「セスク敵を引きつけておいてのパス」
①自陣でボールを奪い
イニエスタが一気に攻め上がるシーンから。ここでサイドバックの
カセレスは急いで
イニエスタにチェックに行く。
②しかし
カセレスが中央へ入って来た事で、空いたサイドのスペースにパスを送る
イニエスタ。そこで再び
カセレスはサイドへ。
③ここで再び追いつく
カセレス。しかし
ペドロはすぐさま中央の
セスクへパスされ三度追いかける展開に。
④こうして敵陣へ入ったスペイン。この時点ではウルグアイの守備人数は十分足りている。
⑤そこで
セスクはマークに付く
カセレスを右へのドリブルで交わし(全力で戻ってきた
カセレスは流石に付いていけず)、
⑥シュートモーションへ入る。ここでウルグアイの両センターバックの
ゴディンと
ルガーノはブロックへ入るが、
⑦
セスクは十分に敵を引きつけた上で
ソルダードにスルーパスを出す。
⑧
Mペレイラのマークが甘かったこともあって
ソルダードはフリーでシュートを打つことが出来た。
ここで一つの疑問。
ウルグアイからすれば
カセレス含めた中盤の戻りながらの守備が、スペインに外→中→外と揺さぶられながらもゴール前の守備人数はしっかりと揃っていた。それにもかかわらず何故セスクのエリア外のシュートにあそこまで執拗にチェックに入ったのだろうか??
実はその答えとなるであろうシーンが、先制点前のシーンに隠されていた。それが下のシーン↓
□
10分のスペインの攻撃シーン
①
Jアルバが
シャビからパスを受け、攻め上がったシーンから。ここで
Jアルバは中に切れ込み、
イニエスタにパスを出す。
②そこでセンターバックの
ルガーノは
イニエスタにチェックに付き、縦のコースを切る。しかし
イニエスタはこのパスをスルー。
③さらに
ルガーノの裏へ走り込み、セスクから
リターンパスを受けようとする。これに対し、いち早く反応したペナルティエリア内の
ゴディンがインターセプトに動く。
④しかし
セスクはさらにその裏をかき、
ルガーノと
ゴディンが動いたことで出来たスペースを利用しシュートを放った。
惜しくもこのシュートはポストに辺りゴールとはならなかったが、↑のゴールシーンでは、このシュートシーンの印象から2人のセンターバックは釣り出されてしまったのではないだろうか。おそらくウルグアイのセンターバック2人の脳裏にはこのシーンが焼き付いていたものだと思われる。
このように前半の時点で2点を奪ったスペイン。守備に関しても、ウルグアイの攻撃に対してのファーストプレスが早く、良い時のバルセロナのように速攻をさせずにチャンスを作らせなかった。後半に入ってもこの状態は続き、ウルグアイに得点を許さない。こうして65分にセスクに替えカソルラ、75分にペドロに替えマタ、シャビに替えJマルティネスとデル・ボスケ監督は選手をリフレッシュし3点目を取りに入る。
しかし、この辺りの時間帯からパス回しにシフトしすぎた事もあってかシュートまで行けずにいると、徐々にウルグアイに攻め込まれる回数は増えてしまった。結果的にこの流れからゴールを許し1点差には詰め寄られたものの、守備の堅いウルグアイ相手に2点を挙げて初戦で大事な勝利を手にした。
■ ウルグアイ
この試合ではスペインのパス回しに対しなかなか攻撃の形を作れなかったウルグアイ。失点後はラフプレーも増え、前目に出たところをカウンターで攻めこまれて追加点を献上するなど混乱した状態に陥ってしまう。
そこでタバレス監督はGラミレスに替えAゴンサレスを投入し、まずは守備を整えることに集中させる。その反面攻撃は機能しなくなってしまったものの、62分にガルガーノに替え攻撃の起点としてロデイロを、69分にDロペスに替えフォルランを入れ得点を奪いに行くシグナルを選手へ送る。
これが功を奏した事で試合の流れが変わり、この時間帯から攻撃のチャンスは増えやっと敵陣でボールを持つ時間を作れるようになったウルグアイ。その流れから試合終了間際の89分にはスアレスが直接フリーキックを見事に決めたものの、残念ながらそこでタイムアップとなってしまった。