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2014/03/11 ACL 2節 セレッソ大阪 v 山東魯能



  セレッソ大阪 1st
1 - 3
  山東魯能 1st

05   アロイージオ
26   Vラブ
56   Vラブ
84   柿谷曜一朗


  セレッソ大阪


ポポヴィッチ監督
「サッカーの質を見てみれば、両チームの間に大差はないですし、純粋に質だけで言えば、我々が優っていたかもしれません。ただ、1失点目で見せたような、戦う姿勢を見せられなかったという場面に関しては、やはり恥じるべき試合だったと思いますし、これを繰り返してはいけないと思っています。」

「まず、能力の高い選手が相手にいる場合、先に言われた2人に関してもですが、ボールに触らせないことが一番大切になると思っていました。失点シーンを振り返っても、決められた選手にボールが渡るまで、ロングボールで相手の前に入って対応する時間が十分あったなかで、そういう対応ができなかった。」 セレッソ大阪公式


互いに中盤での主導権争いが続いた前半だったが、フリーキックとロングボールで2失点したホームのセレッソ大阪。そこで後半からは、前半に左サイドから切り込んで勝負していたものの、前を塞がれパスを戻すことの多かった南野に代えて柿谷を投入する。しかし再び2失点目と同じような形で失点し、終盤に柿谷が1点返すも、3点を奪われた時点で勝負は決していた。


フォルランに関しては、この日も最終ラインで駆け引きはしているが、良いタイミングでのパスは出てこずに孤立。そのため後ろに下がってきてパス受けるも、期待された活躍を見せることはできずに60分に同じく今季新加入のニコルスと交代することとなった。


狙われた攻撃の起点となる扇原

今季は山口と共にボランチを任されている扇原。左足のパス精度には目を見張るものがあるが、プレッシャーをかけられたときの動作は不安定であり、相手からするとボールを奪う狙い目となってしまっていた。その具体的なシーンを見ていく。



①後方からパスを受けた扇原は攻撃方向に対して後ろ向きでボールを受けるが、トラップがうまく行かずに逸らしてしまう。山東の前線の選手はそれを逃さず、連動してプレッシャーをかけていく。




②ルーズボールに対しての反応も山東の選手のほうが早く、3対2の状況を作られた結果、最終的にヴァグネル・ラブにシュートまで持って行かれてしまった。


特に今回のシーンは、後述する失点シーンと合わせて1節のサンフレッチェ広島戦【2014/03/01 J1 1節 セレッソ大阪 v サンフレッチェ広島 試合分析】と同じミスを犯してしまっている。ポポヴィッチ監督の掲げる攻撃サッカーの中で、守備から攻撃を繋ぐ働きを要求されるポジションなだけに、ここで中央で奪われてしまうとチームは機能しなくなる。


  山東魯能


クカ監督
「前日会見のときにも言いましたが、私は今日で指揮してちょうど60日目ということもあり、まだ(チーム状態がどうかというのは)分からないです。」

「中盤でボールの奪い合いに成功することは、試合のすべてを掌握するということ。中盤は試合の心臓部とも言いますが、そこでボールをコントロールすることは、我々にとって一番大事なこと。この試合では、そこが功を奏しました。」JFA

ロナウジーニョらを擁するアトレチコ・ミネイロで、昨季コパ・リベルタドーレスを制したクカ監督が就任したばかりの中国の山東魯能。それと同時にVラブ(ブラジル/元CSKAモスクワ)アロイージオ(ブラジル/元サンパウロ)、モンティージョ(アルゼンチン/元サントス)とレベルの高い3選手を一気に獲得。この試合でも、その3人を活かした攻撃で3点を奪って快勝した。


2、3点目のシーン「ヴァグネル・ラブのフィジカルと強さとトラップからシュートまでの技術」


始まりはゴールキーパーのパントキックからだった。


①この時点で相手2トップに対して、セレッソ大阪の守備はセンターバックの2人のみ。たいていのチームであれば相手の人数対して1人は余らせておくのだが、ここでは一発でまず不利な状況を作り出されてしまう。



①そしてここからがVラブの見せ場となった。まずは、このロングボールをゴールに背を向けて下がりながらも右足でトラップしにかかる。一方、マークについていたカチャルは体が後ろに下がり、体を寄せることができず




②そのためVラブは余裕を持ってトラップ体勢を整えることができた。



③ボールを落としたVラブだが、体はそのまま後ろに流れてしまいボールは置き去りに。そこでカチャルはボール奪取に動き出す。しかしその動きを察知したVラブは、





④腰を低くしてしっかりブロック大勢を作り、その後にスペースのあるサイドに持ち出し、



⑤素早く反転してシュートをゴールにねじ込んだ。


続いて3点目。


①ここでも後方からのフリーキックに対して2対2の状況を作られてしまっている。前半に失点したにもかかわらずである。後半も指示は出ていなかったのだろうか。



①そして、同じようにVラブがボールを受ける大勢に入る。それに対する今回のマークは、昨季のJ1でも身体能力を活かして守備で貢献した山下




③そんな山下でさえVラブを前にすると歯が立たなかった。腕を押さえつけられながらもボールを収め、山下が右に食いついてきたところで左側に持ち出し素早くシュートに持ち込む。これが決まって3点差となり、その後の山東は余裕を持ってゲームを進めることができた。


今日の対戦については山下自身のブログで語っている。やはりこういった経験はJリーグだけではできないものであり、体験した選手にしかわからないものがあるはずだ。ぜひとも今後のプレーに活かして欲しいと思う。


■関連試合
J1 1節 セレッソ大阪 v サンフレッチェ広島 分析



アロイージオ プレー集


ワルテル・モンティージョ プレー集


ヴァグネル・ラブ プレー集
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