セレッソ大阪 1st
1 - 3
山東魯能 1st
05
アロイージオ
26
Vラブ
56
Vラブ
84
柿谷曜一朗
セレッソ大阪
ポポヴィッチ監督
「サッカーの質を見てみれば、両チームの間に大差はないですし、純粋に質だけで言えば、我々が優っていたかもしれません。ただ、1失点目で見せたような、戦う姿勢を見せられなかったという場面に関しては、やはり恥じるべき試合だったと思いますし、これを繰り返してはいけないと思っています。」
「まず、能力の高い選手が相手にいる場合、先に言われた2人に関してもですが、ボールに触らせないことが一番大切になると思っていました。失点シーンを振り返っても、決められた選手にボールが渡るまで、ロングボールで相手の前に入って対応する時間が十分あったなかで、そういう対応ができなかった。」 セレッソ大阪公式
互いに中盤での主導権争いが続いた前半だったが、フリーキックとロングボールで2失点したホームのセレッソ大阪。そこで後半からは、前半に左サイドから切り込んで勝負していたものの、前を塞がれパスを戻すことの多かった
南野に代えて
柿谷を投入する。しかし再び2失点目と同じような形で失点し、終盤に
柿谷が1点返すも、3点を奪われた時点で勝負は決していた。
フォルランに関しては、この日も最終ラインで駆け引きはしているが、良いタイミングでのパスは出てこずに孤立。そのため後ろに下がってきてパス受けるも、期待された活躍を見せることはできずに60分に同じく今季新加入の
ニコルスと交代することとなった。
狙われた攻撃の起点となる扇原
今季は
山口と共にボランチを任されている
扇原。左足のパス精度には目を見張るものがあるが、プレッシャーをかけられたときの動作は不安定であり、相手からするとボールを奪う狙い目となってしまっていた。その具体的なシーンを見ていく。
①後方からパスを受けた
扇原は攻撃方向に対して後ろ向きでボールを受けるが、トラップがうまく行かずに逸らしてしまう。山東の前線の選手はそれを逃さず、連動してプレッシャーをかけていく。
②ルーズボールに対しての反応も山東の選手のほうが早く、3対2の状況を作られた結果、最終的に
ヴァグネル・ラブにシュートまで持って行かれてしまった。
特に今回のシーンは、後述する失点シーンと合わせて1節のサンフレッチェ広島戦【
2014/03/01 J1 1節 セレッソ大阪 v サンフレッチェ広島 試合分析】と同じミスを犯してしまっている。
ポポヴィッチ監督の掲げる攻撃サッカーの中で、守備から攻撃を繋ぐ働きを要求されるポジションなだけに、ここで中央で奪われてしまうとチームは機能しなくなる。
山東魯能
クカ監督
「前日会見のときにも言いましたが、私は今日で指揮してちょうど60日目ということもあり、まだ(チーム状態がどうかというのは)分からないです。」
「中盤でボールの奪い合いに成功することは、試合のすべてを掌握するということ。中盤は試合の心臓部とも言いますが、そこでボールをコントロールすることは、我々にとって一番大事なこと。この試合では、そこが功を奏しました。」JFA
ロナウジーニョらを擁するアトレチコ・ミネイロで、昨季コパ・リベルタドーレスを制した
クカ監督が就任したばかりの中国の山東魯能。それと同時に
Vラブ(ブラジル/元CSKAモスクワ)
アロイージオ(ブラジル/元サンパウロ)、
モンティージョ(アルゼンチン/元サントス)とレベルの高い3選手を一気に獲得。この試合でも、その3人を活かした攻撃で3点を奪って快勝した。
2、3点目のシーン「ヴァグネル・ラブのフィジカルと強さとトラップからシュートまでの技術」
始まりはゴールキーパーのパントキックからだった。
①この時点で相手2トップに対して、セレッソ大阪の守備はセンターバックの2人のみ。たいていのチームであれば相手の人数対して1人は余らせておくのだが、ここでは一発でまず不利な状況を作り出されてしまう。
①そしてここからが
Vラブの見せ場となった。まずは、このロングボールをゴールに背を向けて下がりながらも右足でトラップしにかかる。一方、マークについていた
カチャルは体が後ろに下がり、体を寄せることができず
②そのため
Vラブは余裕を持ってトラップ体勢を整えることができた。
③ボールを落とした
Vラブだが、体はそのまま後ろに流れてしまいボールは置き去りに。そこで
カチャルはボール奪取に動き出す。しかしその動きを察知した
Vラブは、
④腰を低くしてしっかりブロック大勢を作り、その後にスペースのあるサイドに持ち出し、
⑤素早く反転してシュートをゴールにねじ込んだ。
続いて3点目。
①ここでも後方からのフリーキックに対して2対2の状況を作られてしまっている。前半に失点したにもかかわらずである。後半も指示は出ていなかったのだろうか。
①そして、同じように
Vラブがボールを受ける大勢に入る。それに対する今回のマークは、昨季のJ1でも身体能力を活かして守備で貢献した
山下。
③そんな
山下でさえ
Vラブを前にすると歯が立たなかった。腕を押さえつけられながらもボールを収め、
山下が右に食いついてきたところで左側に持ち出し素早くシュートに持ち込む。これが決まって3点差となり、その後の山東は余裕を持ってゲームを進めることができた。
今日の対戦については
山下も
自身のブログで語っている。やはりこういった経験はJリーグだけではできないものであり、体験した選手にしかわからないものがあるはずだ。ぜひとも今後のプレーに活かして欲しいと思う。
■関連試合
J1 1節 セレッソ大阪 v サンフレッチェ広島 分析
アロイージオ プレー集
ワルテル・モンティージョ プレー集
ヴァグネル・ラブ プレー集