ドルトムント
3 - 2
マラガ
1Legは0-0
トータル3-2でドルトムントが準決勝進出
25
ホアキン
40
レバンドフスキ
82
エリゼウ
91
ロイス
93
サンターナ
クロップ監督
「最後はみんなが心臓発作になりかけたよ。サッカーはこうでなければいけない。サッカーにおける最もポジティブな要素だ。同時に、マラガにはとても気の毒に思う。彼らはベストを尽くしていた」
ペジェグリーニ監督
「痛ましい敗退と言えるが、私は反対だ。我々は素晴らしい試合をしたんだよ。これからは、できるだけ良い形でリーグ戦を終えよう」
■ マラガが先手先手を取りながらもロスタイムの奇跡の大逆転劇でドルトムントがベスト4入りを果たしたこの一戦。
先手はマラガ
最初に策を講じてきたのはアウェイのマラガだった。スコアレスドローのファーストレグ
(前回対戦詳細)からボランチが
ケール→
Sベンダーと替わった以外は同じ4-2-3-1で臨んだドルトムントに対しマラガは4-2-3-1から4-4-2へシステムチェンジ。
これによってドルトムントの組み立ての第一歩であるセンターバックからのビルドアップをバティスタとホアキンの前線からの積極的なチェイスによって防ぐことに成功。
この奇策によって出鼻をくじかれたドルトムントはホームで明らかに流れに乗り切れていなかった。逆にマラガはその流れの中でサンターナのヘディングでのクリアボールをバティスタに拾われ、最後はホアキンが深い切り返しでDFを外してコースを作り左足で振り抜き見事な先制弾を決めた。
このアウェイゴールで勝ち上がりには2点が必要となり、なりふり構わず攻めるしかなくなったドルトムントは先制を許した後はセカンドボールをことごとく拾い出す。
その成果もありピスチェクが自陣でインターセプトすると、右のブラスチコフスキ(1タッチ)→前のゲッツェ(2タッチ)→中のロイス(1タッチ)→前のレバンドフスキと繋ぎ最後はカバジェロを交わしてゴールへ押し込みカウンターが見事に決まり1点を返した。この辺りの時間帯からマラガはプレスを弱めていたのだが、その隙を突かれての失点となってしまった。
こうして1点ずつを取り合って前半を終えた両チームだが、後半に入るとマラガが守備をしっかり固めてカウンターという意図をはっきりと示してきた。対するドルトムントは当然ポゼッションを握り攻め続け完璧に崩した場面もできたのだが、カバジェロのビッグセーブによって得点は入らず後半は残りあと10分というところまで来る。
そんな状況で前がかりになっていたドルトムントは、逆に交代出場のエリゼウにゴールを許してしまう。この時点でドルトムントはさらに2点が必要となり、誰がどう見ても絶望的な状況であった。
最後に仕事をした男
それでもここから2点を奪えたのはなぜなのか?その要因としてオフサイド疑惑といった問題もあるのだが、そういった点を抜きにしても言えるのがフンメルスの存在だろう。
86分にギュンドガンに替わって投入されたフンメルス。ここでセンターバックをいれたクロップの狙いは何か。それはフンメルスの後方からの精度の高いロングフィードにあった。この時間からにも関わらず何度も相手DFの頭をギリギリ越えるボールを入れ、これまで徹底されていたマラガの最終ラインの裏へボールが入りそれがドルトムントの二点目へ繋がった。
その流れのまま押せ押せの状態で例のオフサイド問題となったサンターナのゴールへ繋がり逆転することに成功した。この試合はチャンピオンズリーグ特有のアウェイゴールがドラマを生む劇的な展開で幕を閉じたが、どちらのチームもファーストレグ以降に相当研究しあったのがわかる一戦だった。
【フットボール戦略論】
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