アーセナル
1 - 3
アストンビラ
06
ジルー
22
ベンテケ
61
ベンテケ(PK)
85
ルナ
ベンゲル監督
「(2つめのPKの判定は)大きな驚きだった。ただ、それ以外にも、今日の試合を妨げるものはたくさんあった。それでも勝つ可能性はあった。それこそ我々が集中すべきことだ」
アーセナル
前半開始早々の6分に、左サイドにいた
ロシツキーの縦パスからの速攻で前線の
チェンバレンにパスが通り抜けだすとそのままエリア内まで持ち上がり中へクロス。そのボールに
ジルーがしっかり合わせあっという間に先制する。
その流れでこのまま勢いに乗るかと思われたが、前半のうちにPKを献上して追いつかれ、更に後半にも再びPKを与えて逆転を許す。そして追い打ちをかけるように
コシールニーが二枚目のイエローカードで退場。それでも開幕戦ホームで負けられないアーセナルは攻撃に出たが、ここでもカウンターを食らって返り討ちに合い敗北を喫した。
この敗北の要因として考えれるのが
アルテタが負傷で離脱中だったということだろうか。そのためこの試合ではポジションに
ラムジーを起用し試合に挑んだのだが、やはり守備面での貢献度は小さく、アストンビラに何度もそのスペースを使われ失点を与えるきっかけを作ってしまった。
ここに関しては昨シーズンから人材難が続いており、このまま行くのであれば
ウィルシャーと
ラムジーはより守備のタスクが増え負担を強いられることになるだろう。
□アーセナルの1失点目のシーン「守備ズレが生んだ失点」
①まず右の画像のアストンビラの最終ラインの組み立てから。ここでチェックに行っているのが
ラムジー。次に左の画像へ。このパスは左サイドへ通り、そこにチェックに行っているのが
ウォルコットである。しかしここでもワンタッチで中へパスを通される。こうなると何が起こるのかというと、、
③本来いるはずの
ラムジーが前線のチェックに行ったことでそのスペース(青円)がぽっかりと空いてしまう。こうして難なくボールを前に運ぶ
アグボンラホールに対し、
ウィルシャーがスペースを埋めに行くが、
④今度はその
ウィルシャーが位置するはずのスペース空いてしまい、スピードのある
アグボンラホールはそこへ侵入。さらに後ろから追う
ラムジーもここで追うのを諦める。
⑤そこでこのスペースを埋めるべくセンターバックの
コシールニーが出てくるが、
⑥今度はそのスペースにボールを出し、
アグボンラホールは
シュチェスニーに倒されPKを獲得した。この場面でも
メルテザッカーがスペースの穴埋めに行きたいところだが、スピード勝負となるとあまりにも分が悪く期待はできない。
結果的に最初の段階で
ラムジーが前線にポジショニングしたことで次々にスペースを使われてしまう形となった。それと同じようなシーンが後半にもあったので見てもらいたい。
□52分のアストンビラのシュートシーン
①まずは
ウィルシャー(下赤)が自陣でボールも持つも出しどころがなく、切り返したところを
エル・アフマディに奪われた場面から。そこで
ラムジーがフォローに行くこととなるのだが、
②
エル・アフマディはすぐさま前の
ベンテケにクサビのボールを入れ、当然ここにはセンターバックの
コシールニーがチェックに入るが、
③ここで
ベンテケはポストとなり、本来
ラムジーがいるはずのスペースへ走りこんだ
デルフにパスを出す。
④こうしてフリーでシュートを打たれ、ポストに当たるあわやゴールかというシーンを生み出してしまった。ここでも気になるのが
ラムジーの守備時の動きである。②から③の場面ではワンツーで飛び出す可能性もある
エル・アフマディの縦に入るのは分かるが、③から④の場面でもその後はボールを追わず、ゴール前にも戻らないあたりにこのポジションでの起用に限界は感じる。
そもそもこのシーンの始まりは、あそこでロストした
ウィルシャーの責任でもある。そして
ラムジーは一枚前の選手だということも考慮するべきではある。それだからこそこのポジションには人材不足を感じてしまうのだ。
■過去の分析試合
アストンビラ
アストン・ビラは前述の通りウィルシャーとラムジー、このセンターハーフの2枚の空いたスペースを有効的に使ってきた。特に、得点として記録には残らなかったが1点目の中央からのドリブルでの抜け出し、2点目のインターセプトからのカウンターとウイングの
アグボンラホールが中に入ってボールを受けPKのチャンスを作り出したことは大いに評価すべきだろう。