チェルシー
3 - 0
ニューカッスル
27
アザール
34
アザール
62
アザール
チェルシー
モウリーニョ監督
「前半はかなりの向かい風だったし、ニューカッスルがプレスをかけてきた。DFは中盤のラインに近づくことは全くなかった。我々は相手陣内でプレスをかけることはなかった。それに、後方から攻撃を組み立てることもなかった。我々はシッソコのランをコントロールできなかった。彼が中盤でプレーすることを我々は予想していたが、アラン(・パーデュー)はサントンをそこでプレーさせて我々を驚かせた。だから、我々にとっては難しい状態だったよ」チェルシー公式
攻撃面でチームの核を担うアザール
前節のマンチェスターC戦でも得点の起点となり突破を見せ、違いを作った
アザール。この試合でもパフォーマンスは続き、ハットトリックを達成した。そこで得点シーンを振り返りながら、
アザールの動きを中心に分析していく。
先制点のシーン
①自陣から
マティッチが縦パスを入れる。この時
アザールは左サイドから中央にポジションチェンジし、
サントンと
アニタの2セントラルの間に入り込む。
②ここで
サントンは縦のドリブルコースを防ぎに急い戻るが、
アザールは背を向けながら右足でターンしあっさり
サントンの逆を突く。
②そしてすぐさま右からオーバーラップする
イバノビッチへパスを出す。この間の
アザールの動きはとても素早く、ニューカッスルからすればこの時点で中盤の守備は打開されてしまったことになる。
③当然最終ラインはゴール前まで下がるが、それと同時に
アザールも中央のスペースに走りこむ。そして
イバノビッチからパスを受けると、そのままシュートを放ち先制点を決めた。
ニューカッスルからすれば
ティオテの負傷により、
サントンをこのポジションで起用せざるを得なかったのだが、
アザールに対応させるのはさすがに無理があった。
2点目のシーン
①攻めこんできたニューカッスルからボールを奪ったチェルシー。
Dルイスがここから前に縦パスを入れ、一気にチェルシー得意のロングカウンターへ移る。
②前でボールを受けた
ウィリアンはワンタッチで左サイドへ持ち出し展開。そのまま左サイドから敵陣へ侵入すると、さらにサイドから走り込む
アザールへパスを出し、自身も前へ走りこむ。
③これによって
ドュビュシーは二者択一を迫られることになり、
アザールはフェイントを掛けつつ中へカットイン。
④PA内に侵入した
アザールはここで中の
エトーにパス。さらにパスを受けた
エトーもヒールでリターンパスを出す。こうして
アザールはGKと一対一に持ち込み2点目を決めた。
ニューカッスルからすれば
ティオテの負傷により、
サントンをこのポジションで起用せざるを得なかったのだが、
アザールに対応させるのはさすがに無理があった。今回のように前方にスペースのある状態で
アザールにボールを持たれると止めるすべがない。特に、個人技で勝負するだけでなく、周りを使いながらスペースメイキングで得点を挙げる技術は見事。
同じく2列目の選手で言えば
オスカールも同じようなプレーができるのだが、決定的な場面でシュートを外すシーンが目立つ。これが改善されて決定力が付けば、もっと怖い存在になれるだろう。
そして
ウィリアンに関して。
マタを放出した後半戦はレギュラーポジションをがっちり掴んでいるこの選手だが、その理由とは何なのか考えてみよう。
まず①フィジカル勝負で体をしっかり使い戦えること。これは当たりの激しいプレミアリーグではやはり必須条件となる。そして②前線からの守備を怠らないこと。これは現代サッカーで必要な要素の1つであるとともに、規律に厳しい
モウリーニョ監督のチームでは尚更それが求められることになる。
最後に③左右自在に顔を出し攻撃に絡むこと。これは頻繁にポジションチェンジを繰り返すチェルシーの戦術面における特徴でもあるが、特に今回の試合でも見せた
アザールとの連携がうまくいっていることも
モウリーニョが優先して起用する要因となっていることは確かだ。
マティッチの守備面での貢献度
ここまで攻撃面を取り上げてきたが、最後に守備で貢献度の高かった
マティッチを取り上げる。この選手はこの冬に加入したばかりの選手なのだが、すでに高い守備技術と守備から攻撃へのバランサーとしての役割も果たし高い信頼を得始めている。
特に、コンビを組んだ
ランパードが攻撃に出た際の裏のスペースのカバーという仕事をしっかりこなしている点も注目すべきところだ。
FourFourTwo
上の図は
マティッチが敵からボールを奪い取った回数なのだが、12回のチャレンジもさる事ながら、そのうち10回もボール奪取を成功させるというの貢献度の高さを見せていることが驚きである。これだけのパフォーマンスを加入当初から見せている点からも能力の高さが伺える。
ニューカッスル
パーデュー監督
「1-0の段階で試合を混乱させる大きなチャンスがあった。しかし、我々はそれを逃した。そして、相手が2-0にしてしまった。彼らは優れたチームだ。彼らの運動量は素晴らしかった。特に彼らのテクニカルな選手の運動量が素晴らしかった。私はモウリーニョが率いるチェルシーと何度か対戦したが、今のチームは彼の以前のチームと同じくらい優れている」チェルシー公式
コロッチーニ、ティオテ、グフラン、Pシセといった選手を負傷で欠き、得点源の
レミーも出場停止という状況で臨むこことなったニューカッスル。結果的にそれがそのまま試合内容にも反映された試合となり3失点を喫しての敗北となってしまった。
守備面では、上でも取り上げたサイドバックの
サントンをセントラルに起用する策を取ったものの、やはり荷が重くチェルシーの攻撃を対処しきれなかった。
FourFourTwo
攻撃面ではその
サントンと左サイドバックの
ダメットとのパス交換や、
ベン・アルファの縦への突破は見られた。だが、そこから先となると攻め手がなく、冬に加入した
Lデ・ヨングとの連携も含め課題は多いというのが今日の試合を見た感想である。
■過去の分析試合