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フットボール戦略論

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2013/2/12 EPL 26節 アーセナル v マンチェスターU



  アーセナル 
0 - 0
  マンチェスターU 



  アーセナル


 ベンゲル監督
「負けないことが重要だった。ただ、勝つことも大事だったね。我々はナーバスだったと思う。失点しないことに非常に集中していた。それによって、少し前に出ることができなかったかもしれない。土曜の5失点があったことは確かだ。その影響は感じられたね」 「今夜はまず負けないことだった。それから本来の攻撃レベルに戻れる。我々は2つの難しい試合を終えて、まだ良い位置につけている。それが唯一良かったところだね」Goal.com

守備ブロックに苦しんだアーセナル


アーセナルは多くのシュートチャンスこそ作ったが、マンチェスターUの9人での引いた守備を崩すことはできず、効果的なシュートは少なかった。(シュート17本中、枠内5本)終盤には決定的なチャンスを迎えるシーンもあったが、デ・ヘアの好セーブにあい無得点に終わった。そこで今回は、具体的な例を挙げながら、なぜ崩すことができなかったのか解説していく。


21分

①このシーンではトップのジルー、中盤のエジルロシツキーカソルラウィルシャー、右サイドバックのサーニャという選手達がワンタッチのパスワークで揺さぶった後、ウィルシャーがなんとかトップのジルーへパスを通す。



②そしてウィルシャー、カソルラが裏へ走りこみ、パスさえ出ればチャンスを迎えられる場面はできた。しかし、スモーリングの激しい当たりを前にジルーは仕事をさせてもらえず。



51分

①今度は後半のシーン。右サイドからカウンターで相手陣内へ攻め込んだ後、エジルが中のカソルラへパスを出す。



②ここでバイタルエリアこそ突破するも、ヴィディッチに激しく寄せられ、ここでもゴール前での侵入を防がれた。


このようにジルーのポストプレーと2列目からの飛び出しを抑えられた結果、押し込みながらも勝つことはできなかった。とはいってもベンゲル監督も語る通り、前節のリバプール戦で5-1と敗戦した守備陣が無失点だったことは、今のマンチェスターUが相手とはいえポジティブに考えてよいだろう。



  マンチェスターU


 モイーズ監督
「たくさん良いことをしたと思う。我々は良い調子だった。コンパクトで、良かったよ。アーセナルとアウェーで対戦するのは大変なことだ。そして彼らは今季、素晴らしいシーズンを送ってきた。開幕の際に、アーセナル相手に勝ち点4を得られると言われたら、私はそれほどがっかりしなかっただろうね」Goal.com

この日のユナイテッドは「上位アーセナル相手にアウェーでは最低限の勝ち点1が取れればいい。」という思惑が見て取れるような、守備に重きをおいた戦術が見られた。とにかく今後のCL圏内入りを考えればここで負けないことが重要だと考えたのだろう。そのくらいチャンスは少ない試合となった。


リバプールとマンチェスターUの対アーセナル戦の攻撃戦術



左が5-1と大勝したリバプールの攻撃で、右が今回のユナイテッドの攻撃で、どちらもアーセナル戦のもの。


上の図はクロスを除いた、アタッキングサードへのパスの分布図である。これを見れば、ユナイテッドもリバプール同様に、サーニャが上がった裏のスペースと、とウィルシャーの上がったスペースにパスを出していることがわかる。


にも関わらずユナイテッドはシュート6本・無失点に終わってしまった。これにはどのようなの違いがあったのだろうか。


ひとつ考えられるのはユナイテッドの攻撃にリバプールほどの切れ味がなかったということである。リバプールの場合はで中盤でプレスをかけ、奪ってからすぐさま前線の選手が裏へ走り込み、そこへパスを出すことを徹底していた。


しかし、この日のユナイテッドにそこまでの攻撃時の一体感は見られなかった。数少ないチャンスといえば、開始早々にVペルシーが相手の深い位置でのビルドアップを奪ってシュートまで持ち込んだシーンや、デ・ヘアのゴールキックから一気に前線まで運んで、マタの裏へのパスからVペルシーのシュートシーン。さらに終盤のVペルシールーニーの2人のコンビで崩したシーンといったところだろうか。


3度のチャンスとも、Vペルシーだからこそなんとかシュートまで持ち込んだものの、これだけ守備的な戦いではやはり勝つのは難しい。とはいっても、現状のユナイテッドは昨シーズンのエバートンのような試合を展開しており、モイーズ監督らしいサッカーをしているという意味では安定している。

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