アーセナル
3-3
フルハム
11 ジルー
23 ポドルスキ
29 ベルバトフ
40 カカニクリッチ
67 ベルバトフ
69 ジルー
ベンゲル監督
「難しいね。勝つ可能性はあったが、それができなかった。2点リードをしているときに、簡単に2ゴールを与えてしまった。その後は素晴らしいスピリットを見せることができたがね。2ー0のときに、しっかりと守ることができなかった」
ヨル監督
「チームのパフォーマンスを誇りに思う。良いスタートを切ったが、2点のビハインドを背負ったね。その後で厳しくなってしまった。私は、我々のパフォーマンスがアーセナルと同じように良かったと思う」
「相手は優れたチームだ。しかし、最後のPKを決められていたら、我々にとってはきつい結果になっていただろう」
■ 7位アーセナルと8位フルハムの対戦となったこの試合は両チーム合わせて6ゴールが飛び交う点の取り合いとなりました。アーセナルからすれば終了間際のPKをアルテタが決めていれば・・・という展開ではあったわけですが、一時は2点をリードしていたのも事実です。では何故このような事態になってしまったのでしょうか?
この問題の根本は個人的には中盤にあると考えています。この試合ではアルテタとコクランをセンターハーフに起用しました。しかしこのシステムでは、守備時に体を当たりに行ける選手がおらずズルズルと下がってしまうため、中の守りを厚くせざるを得ません。結果、サイドにスペースを与える事となりました。
もちろんアーセナルも対策は立てていました。最近の試合では左サイドバックのギブスの負傷離脱以降、Aサントスがこのポジションに入っていたのですが、毎試合不安定な守備でここから切り崩されることが多いのが現状だったわけです。
そこでこの試合では、通常センターバックで出場しているフェルマーレンをこのポジションに起用したベンゲル。これで少なくとも守備面での強化は図られたと思われました。
それでもフルハムの攻撃が効果的だったのはデヤガが中へポジションを取る動きをしたことです。この動きに釣られてフェルマーレンとアルテタは中へ絞ってチェックに行きます。それによって、上がってきたリーターがフリーでボールを受けるシーンが多く見受けられました。
フルハムは当然この試合でもアーセナルの左サイドを狙って来ました。このあたりはヨルの狙い通りの采配だったのではないでしょうか。実際、有効的な攻撃はほとんどこのサイドから生まれてます。さらにトップのベルバトフが下がってキープし、Bルイスが縦横無尽に走り回るなど、マークを撹乱させたことで得点を生み出しました。
アーセナルの攻撃に関して話せば、先発出場したウォルコットは2アシスト含む前3得点に絡み躍動していました。やはりウォルコットのスピードに乗ったドリブルはそうそう止められるものではありません。それに加えてこれまで課題だったドリブル以外の選択肢や状況判断も付いてきました。この活躍を今後のプラス材料にしたかったのですが後半終了前に負傷交代。今後が気になります。
それにしても中盤で以前までのような細かいパス回しが見られる場面は少ないのが残念です。特に中盤前列のポドルスキ、Sカソルラ、ウォルコットはゴール前でボールを受けたがり、後列のアルテタ、コクランはリスクを負って前へ上がることができない。このためポッカリとスペースができてしまっています。
ワンタッチ・ツータッチで連携が上手く繋がったときは今でも良い攻撃ができているだけに、攻守ともに昨シーズンのソングが担っていた役割の大きさがここへ来て露呈することになりました。
【フットボール戦略論】
COMMENT