チェルシー
1 - 2
マンチェスターC
35
ナスリ
47
アグエロ
66
デンバ・バ
ベニテス監督
「シティの功績は認めなければいけない。彼らはフィジカルもテクニックも強いチームだ。各ポジションに違いをつくれる選手がいる。彼らの功績は認めなければいけない。」
Goal.com
マンチー監督
「今、我々は良いチームになっている。ファイナルに進み、(プレミアリーグでは)2位に入るチャンスがあるんだ。そして、勝ち点15差も付けられるほどじゃないことを示すチャンスがある。それが我々の今の目標であるべきだと思う」
Goal.com
■ マンチェスターCが前半に2点を先行し、後半1点取られながらも逃げ切りウィガンとの決勝戦へ駒を進めた。この日の対戦はマンチェスターCが試合巧者ぶりを発揮する試合となった。
シティの攻撃戦術
まず攻撃の形として左サイドで
ナスリ、
テベス、
アグエロの三人が三角形を作り見事な連携を構成できたことが大きい。この三人はパスで相手を活かすことも出来るし、スペースへ飛び出していくオフ・ザ・ボールの動きも上手く、またドリブルで自ら仕掛けることもできるなど非常にプレーが似通っている。
この動きにチェルシー守備陣は手こずり、試合の主導権を握られてしまった事が今回の敗戦に繋がってしまった。更に言えばこの攻撃の前の段階で
Yトゥレが中盤の底からゲームを作る段階でプレスが少なく、簡単に前へのパスと侵入を許してしまっていた事も原因だった。
とにかく今のチェルシーはオスカル、マタ、アザールという守備貢献度の少ない攻撃重視の選手を二列目に配置している。このため守備時はこういった状態になりやすいのが弱点である。
シティの守備戦術
それなら攻撃面では機能していたかというとそこも上手く行かなかった。それは何故なのか。
チェルシーはカウンター主体のチーム作りをここまでしてきたため前述の二列目の3選手が速攻時のキーマンとなる。しかし今日はボールへ受けた選手に対し、マンチェスターCの
バリーと
Yトゥレというフィジカルコンタクトの強い2人のセントラルの守備を前にことごとく潰されてしまっていた。
こうして攻撃の時間を多く作ったマンチェスターCが
Yトゥレの右サイドの突破からエリア内で
アグエロ→
ナスリと繋ぎ、最後は
ナスリがきっちりと決めて先制。さらに後半開始早々にも
バリーの右からのクロスを
アグエロがヘディングで合わせ追加点を入れる。
この2失点のどちらの場面もチェルシーはマンチェスターCの選手をすべてフリーにしていて、これでは
チェフでも防ぎようがないという失点だった。
■マンチェスターC先制点のシーン
Yトゥレがフリーで前へ運ぶ、この時点で前には広大なスペースができている
こうして前へ運ぶ際も前のアグエロ、ナスリはフリーで走り込んでいる。更にアグエロはボールから逃げる、いわゆるプルアウェイの動きでDルイスのマークを外す。
そこへ
Yトゥレがしっかりパスを出す。この時
Dルイスと
イバノビッチのセンターバック二枚は
テベスに釣られる。
このパスが通るタイミングで
ナスリが前へ飛び込む。
ここで
アグエロはDFを背負ってフリーの
ナスリへパス。
こうしてエリア内へ侵入させた結果チェルシーは失点を喫した。
■マンチェスターC2得点目のシーン
ミルナーがフリーの
バリーへパス。この時も
アグエロが
イバノビッチの背後→前→背後(次の図)と上手くマークを外す。
こうしてここでもフリーでシュートを許し2失点目を奪われた。
その後はマンチェスターCがしっかりDFとMFがブロックを作りチェルシーにシュートチャンスを許さず、セオリー通りにゲームを運んだ。
それでも失点を許しその後反撃を食らってしまったのは、チェルシーの交代策にすぐさま対応しきれなかったところにある。
シティ失点の理由
失点直前にチェルシーは
ミケルに替え
トーレスを投入。これによって今までは
コンパニーと
ナスタシッチの2人のセンターバックで
デンバ・バ一人を見る形だったところが、
トーレス、
デンバ・バの2人を見なければいけない形となり一対一の状況を作らされてしまった。
この奇襲的な1点によってチェルシーは一気に押せ押せの状態となったものの
マンチーニ監督も
テベスに替え
Jガルシア、
ナスリに替え
レスコットと守備の人員を投入し、逃げ切ることに成功した。
こうして試合を終えた両チーム。これでチェルシーは残るタイトルはヨーロッパリーグだけとなったが、チャンピオンズリーグ出場権をかけたリーグ戦も残っているためモチベーションの維持が重要になってくる。
【フットボール戦略論】