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フットボール戦略論

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2012/11/06 UCL D組 4節 Rマドリー vs ドルトムント




 
 Rマドリー
2-2
  ドルトムント

28 ロイス
34 ペペ
45 ゲッツェ
89 エジル


  モウリーニョ監督
「我々は守備で大きなミスを2つ犯した。ビッグチームを相手にそれはいけない。殺されてしまう。ドルトムントは我々に大きなプレッシャーをかけてきた。前半の我々は良いパフォーマンスができなかったが、後半はかなり違ったね。私は後半が気に入ったよ」
Goal.com


  クロップ監督
「ベルナベウでの試合で大きな違いとなるのは、彼らがよりアグレッシブになることだ。後半のマドリーは力強く、我々はうまく応えられなかった。カジェホンのゴールがオフサイドだったかどうかは分からない。でも、私にとっては問題のジャッジじゃなかったね」

「これは良い結果だ。我々のプランは、ミスをせず、ボールをポゼッションすることだった。明確なアイディアがあり、とても良いプレーをしたよ。特に後半、右サイドで(クリスティアーノ・)ロナウドを相手にね」
Goal.com

■ D組1位のドルトムントを追う2位のRマドリーはホームで勝って今後のマンチェスターCとアヤックスの対決に望みたい一戦だったわけですが、結果は2-2のドロー。 


マンチェスターCとアヤックスの結果によりどちらも順位も変わらなかったわけですが、モウリーニョクロップの采配は流石名将と呼ばれるだけのことはあるハイレベルなものを見せてくれました。 


試合内容の話をすれば、先制点はドルトムントが取ったわけですが、2点目も含めて取るべくして取った得点でした。とにかくドルトムントの戦術はシンプルにはRマドリーの両サイドバックの裏を狙った攻撃。


そもそもRマドリーは本来左サイドバックのポジションでレギュラーであるマルセロが負傷中のため、右サイドバックのアルベロアを左サイドバックへ、センターバックであるSラモスを右サイドバックで起用しています。 


そのためポジショニングが曖昧で攻撃時にも攻め上がりを見せることなく、守備時も最終ラインまで戻れずに大きなスペースができていました。このスペースへグロスクロイツ、ゲッツェ、ロイスが果敢に飛び出し続け、前半早々からシュートチャンスを生み出します。 


そうしてドルトムントは2得点とも後方からのフィードをレバンドフスキに当て、3人が飛び出した形から生み出しました。それに加えドルトムントは常に1人に対し、2人でマークに付く形を維持して自由に前を向いてボールを持たせることを許さずにスキを与えません。  


ドルトムント1点目の場面 Rマドリー両サイドバックは二人とも裏を取られる



ドルトムント2得点目の場面① まずSラモスシュメルツァーのチェックへいく


ドルトムント2得点目の場面② その結果、グロスクロイツをフリーで侵入させることになった


それに比べてRマドリーは開始からプレスが甘く、リトリートからの攻めでカウンターを狙うのかポゼッションを高めてゲームの主導権を握るのかが徹底されていませんでした。  


そんな中でもRマドリーが前半に1点取れたのは、ルーズボールではあったものの左へ流れていたエジルが一瞬フリーとなりクロスを上げられたからです。  


前半は明らかに押され味だったため、モウリーニョは後半開始からイグアインカジェホンモドリッチエッシェンという二枚の交代カードを切ります。カジェホンはドルのDFをかき回すため、エッシェンは中盤の守備力強化のためだったように思います。  


結果、Rマドリーのボール支配の時間は増え、同時にドルトムントのチェックは前半よりは軽くなりました。それでもドルトムントが得点を許さなかったのは自陣深くではしっかり継続してチェックし続けていたからです。 


昨シーズンまでならずっとプレスを掛け続けたあげくバテて失点していたでしょう。このあたりはチームの成長を感じました。交代に関してもクロップは70分過ぎにロイスSベンダーの交代を使い中盤の守備を厚くしています。 


こうしてこの時間帯まで1点差のビハインドが続いたため、モウリーニョは三枚目の交代カードでアルベロアカカとして3-2-4-1のような超攻撃的な布陣を取り、何が何でも得点を狙いに行きます。そしてこの策が終了間際になって実ります。PA付近でカジェホンが倒されてFKを獲得。それをエジルが直接決めて何とか追いつきドローで試合を終えました。 


Rマドリーからしてみれば勝ちたかった試合であるのは間違いありませんでしたが、負傷離脱によるDFの人材難の中なんとか手にした勝ち点1だったように思えます。それでもサイドバックの位置取りについては、簡単に突破を許しすぎていたため修正していく必要があるでしょう。 


ドルトムントからすれば勝てるだけの試合内容であったとともに、勝てば決勝トーナメント行きがグッと近まっていただけにくやしさは残るでしょう。それでも3節の勝利と合わせてこの2戦で相当自信をつけているはずで、残りのアヤックスとマンチェスターC戦も良い結果を残しての決勝トーナメント行きが見えてきた試合でした。

【フットボール戦略論】
 
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