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フットボール戦略論

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2013/06/20 コンフェデ杯 A組4 ブラジル v メキシコ




 
ブラジル
2 - 0
  メキシコ

09   ネイマール
88   ジョー


  スコラーリ監督
「我々のスタートはファンタスティックだった。それからメキシコが反撃して、少し我々は支配されたね。だが、我々は非常にうまくやったと言いたい。チーム全体が、だ。ここフォルタレザのファンの雰囲気が、序盤のメキシコを驚かせたと思う」

「D・ルイスが離れていたとき、我々は問題を抱えた。我々は25分間、良いプレーができなかったね。後半はアジャストしたが、より拮抗した試合になった。メキシコがよりリスクを冒してきて、我々は日本戦ほどうまくはプレーできなかった」
goal.com


  デ・ラ・トーレ監督
「失敗? これは失敗ではない。失敗とは、戦うのをやめたときのことだ。我々は単に目標を達成できなかったということだよ。最終結果は常にフェアなものだ。今回もね」

「彼らは良い試合をした。ブラジルは非常に良い相手だったよ。個のタレントが違いとなった。我々は目標に向けて良いアプローチだった。素晴らしい気迫を示したよ」
Goal.com

ブラジルが立ち上がりと終了間際に効率よく得点を奪い、グループリーグ突破を決めた。それと共に、メキシコは2連敗でグループリーグ敗退が決定。



■ 決して慌てなかったブラジル

キックオフからエンジン全開で動いてきたブラジル。この勢いに飲まれたメキシコを尻目にブラジルのネイマールが左足ボレーを炸裂させ、あっという間に先制点を上げる。


そのまま試合はブラジルが押しこむのかと思われたが、この日のブラジルは必ずしも良い出来ではなかった。その理由としてスコラーリ監督も語る通り、前半途中にDルイスの出血がなかなか止まらず一人少ない状況が続き、攻撃のギアを上げられなかったことがあった。そのためまずは失点しないことに重きを置く状況に立たされた事という事情がある。


後半に入ってもネイマールの孤軍奮闘ぶりは目立ったものの、カウンター時の守攻の切り替えが遅く数的優位が作れない状態が続いた。そのため62分にオスカールに替えてエルナネスを入れ、中盤の底にフレッシュな選手を送り込んでパウリーニョをトップ下の位置へ配置。さらに78分にフッキに替えルーカスフレッジに替えジョーを送り込む。


こうしてネイマールを残し前線の選手を総入れ替えし、メキシコの攻撃に対し前からのプレスを強める。そして最後はアディショナルタイムに左サイドでネイマールが2人を抜き去り中央へパスを送るとジョーがしっかり詰め、これで2点差とし試合を締めくくった。


この辺りの采配はブラジルらしくないと映るかもしれない。本来のブラジルなら、ガンガン攻撃に行くのための前線の交替とみるのが普通だったはず。しかしこの大会のセレソンは驚くほどまとまりのあるチームだという印象が強い。


それこそクラブでは我の強いDアウベスDルイスマルセロ辺りの選手が無理なオーバラップを仕掛けてカウンターを食らう、と言ったシーンが見られない事もある種異常に映る。相手のレベルが低く先制され焦る場面がないからでは?確かにそういった状況に立たされていない事も一つの理由かもしれないが、今日の試合展開にしても、一人少ない苦境に立たされた状況で引いて守ってきたブラジルを見るとより組織的なチームという印象を強く持ってしまうのである。


グループリーグで残された試合はイタリア戦だけとなった。ここでもこのようなサッカーができるのであれば、W杯優勝争いに向けて一歩抜けていると言わざるを得なくなるかもしれない。そしてこれは個人的な希望になるが、今のスペインとブラジルの戦いがどうしても見たいので両チームは決勝へ是非とも勝ち上がってきて欲しい。


■ 先制点のネイマールのボレーシュート



■ メキシコは攻めこむ時間も作れたが・・・

メキシコは序盤に失点をすると、この日も攻撃にリスクは追わず重心は低い位置を保った。それでも奪ってからの攻撃は速く、まずワンタッチ・ツータッチで相手陣内へ早く攻めこむと、Gドス・サントスがトップ下からマルセロのいるサイドへ流れ起点となり少ないながらチャンスを作り出す。さらにDルイスが負傷でピッチを離れたのを契機にギアを上げて押しこみゴール前まで攻めこみ主導権を握った。


それでもブラジル守備陣は崩せなかった。特にTシウバDルイスパウリーニョグスタボの中央の4角形が作るゾーンは堅く閉ざされ、終盤に投入されたバレラが右サイドから突破しトップのJエルナンデスへのクロスを入れたが、ことごとく弾き返された。


こうして前がかりに攻めた代償として、ブラジルに追加点を許し敗戦。蒸し暑い気候の中、終盤でもスタミナを落とさずに積極的な試合運びをしたことは評価できる。しかしそれでもブラジルの守備を崩すまでには至らなかった。


■ 関連試合
2013/06/15 コンフェデ杯 A組1 日本 vブラジル
2013/06/16 コンフェデ杯 A組2 メキシコ v イタリア
2013/06/22 コンフェデ杯 A組5 日本 v メキシコ
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