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フットボール戦略論

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2013/05/06 J1 10節 大宮アルディージャ v サンフレッチェ広島



  大宮アルディージャ
2 - 1
  サンフレッチェ広島

67   ノバコビッチ
77   佐藤
84   富山


 ベルデニック監督
「試合については、我々は広島よりも試合間隔が短かった分、非常に疲労した中で試合を迎えることになりました。広島とのコンディションの差が後半、あるいは試合終盤に影響することはある程度予想していました。」
大宮A公式

 
森保監督
「大宮がこれまでの勢いを持って臨んできたので前半は我々が受け身になった。それでも、前半をゼロに抑えれば後半は我々が主導権を握ってゲームを進められると思っていたが、残念ながら先に失点しまった。」
S広島公式


■ J1無敗記録を更新した大宮アルディージャと昨季J1王者サンフレッチェ広島の対戦は前半こそ慎重なゲーム運びだったものの、その後は互いに持ち味を発揮し両チームのエースのであるノバコビッチ佐藤がゴールを決めるハイレベルなゲームとなった。


試合巧者ぶりを発揮したアルディージャ


勝利したアルディージャはサンフレッチェのポゼッションサッカーに抑えこまれる時間はあったものの、いつもの統率された守備でサンフレッチェにエリア近くで自由なボール回しをさせず攻撃を抑える。


特に最終ライン設定は高いのにも関わらず、抜群のラインコントロールでサンフレッチェの佐藤に裏のスペースへの飛び出しをさせなかった点は評価すべきだろう。そしてそこから奪うと得意のカウンターで早い縦パスや、サイドからのクロスを入れズラタンノバコビッチに合わせチャンス作り出した。


66分の得点シーンはまさにアルディージャの必殺パターンだった。右サイドの今井がマークを振り切り敵陣深くに入り込みクロスを上げると、ノバコビッチが上手くニアに飛び込みヘッドで合わせ先制。


その後一瞬の隙を突かれ佐藤にゴールを決められ失点を許すも、ズラタンに替わり交代出場した富山が仕事をする。終盤の84分に北野がゴールキックを敵陣深くまで飛ばすと、そのボールを水本がヘッドでクリアするも後方へ逸らしてしまう。そこへ素早く飛び込んだのが富山で、増田と激しく交錯しながらもボールはゴールへと吸い込まれ、ついに勝ち越し点を奪うことに成功。


その後は両者の治療のためゲームが一時中断するも、しっかりと集中して1点を守り抜き、開幕7連勝で無敗記録も21試合に伸ばし首位をキープした。


惜しくも敗れたサンフレッチェ



敗れたサンフレッチェは前半から最終ラインでボールを回し続けそこからサイドへ展開し中央にスペースを作ると、シャドーに入った高萩がゲームメイクし上手くパスを散らし、ポゼッションを握った。守備面でもアルディージャのカウンター攻撃に対しても数人でのプレスと早い寄せで潰しチャンスを作らせず、怪我の西川に替わってプロ初先発を果たした増田もしっかりゴールを守りぬき得点を許さない。


こうして後半もポゼッションこそサンフレッチェに分があったものの、前線へのパスはアルディージャの守備に断ち切られ、流れの中から決定機を多く作ることはできなかった。そうこうしているうちにアルディージャにチャンスを作られる時間が増え先制を許してしまう。


そこで森保監督はファン・ソッコに替え井波を投入。これが功を奏し、先制して前目になったアルディージャ守備陣の裏を突く攻撃を見せる。77分、高萩が中盤でボールをキープし敵を引きつけておいて、井波が右サイドからフリーでオーバーラップしエリア内に入り込みグラウンダーの早いクロスを上げると、佐藤がファーから飛び込み同点に追いついてみせる。

しかし終盤に富山にゴールを決められ敗れることとなった。この失点の原因は落下地点を見誤った水本のクリアに問題があった。こうした重要な場面でミスが出てしまうと流石に勝つのは難しく、日本代表に選ばられるだけの選手なら回避したいミスだった。


アルディージャの隙を突いた佐藤のゴール前への飛び込み




①アルディージャの守備が整う前に中央からカウンターを仕掛けるサンフレッチェ。



②ここで高萩がボールを受けると右を向き、右サイドの井波を確認。それに対しアルディージャのSB下平はラインを上げるが、



③CBの菊地がラインを上げきれず、高萩が裏へ絶妙のパス。この間に左サイドにいた佐藤が中へ動き始める。



④ここで右サイドからエリア内へフリーで入った井波がクロスの動作へ入ると、佐藤は一気にゴール前へ加速。



⑤この時点ではアルディージャ守備陣もシュートコースを切っていてしっかり対応しているが




井波がグラウンダーの早いクロスを選択した結果、ファーが空き




⑦虚を突かれたアルディージャに対して、佐藤のみがそのボールに素早く反応しゴールを決める事ができた。まさにJ屈指のゴールハンター佐藤寿人ならではの得点だった。

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