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フットボール戦略論

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2013/04/27 EPL 35節 ウィガン v トッテナム





  ウィガン
2 - 2
  トッテナム

09   ベイル
11   マローニー
49   マクマナマン
89   OG


  ビラス・ボアス監督
「我々には3-2とする良いチャンスもあった。2-2というスコアのときは、両チームがオープンなサッカーをしたということだ。先制するまでは、均衡を破るのに苦労した。前半は良かったと思う。うまくボールを動かし続け、チャンスをつくり続ければ、勝てたと思う。だが、彼らをたたえなければいけない。とてもハードに戦った。守備がよく組織されていたね。スペースを閉ざしていた」
「2-2のときは、両チームがそれぞれ攻撃をしていたということだ。オープンな試合で、どちらに転んでもおかしくなかった。我々には、目標を達成しようというスピリットはあったよ」
Goal.com

■ 残留争い真っ只中のウィガンとチャンピオンズリーグ出場権を争うトッテナムの一戦は互いに気合が入った試合となり、両者2得点を奪い合いドローに終わった。ここでは互いに勝てなかった原因を探っていきたい。


まず、9分にフェゲロアの安易なバックパスに対してロブレスが蹴りだすもベイルが飛び込み、足裏に当てトッテナムが先制。対するウィガンもその2分後にマローニーのCKをボイスがヘッドで合わせ同点に追いつく。こうして早い時間に1点ずつ取り合う展開となったが、その後は均衡状態が続いた。



攻めあぐねたトッテナム


今日のトッテナムは中盤でボールを奪う前では良いが、そこからウィガンの戻りとプレッシングの早さに対応できず、得意の速攻に転じられない状況が続いた。そこを打開するためにアンカーのハドルストンや最終ラインのフェルトンゲンが前線にロングパスを送りなんとか打開しようと試みたが、今日のウィガンは気合が入っており裏へのボールに対してもラインを整えしっかり対応。


特にドリブルで中央から前へ運ぶことの出来るデンベレが試合中に負傷した事もあって打開出来る選手がおらず、攻めに苦しんだまま前半を終える事となった。



効率よく点を奪ったウィガン


ウィガンはこうしてしっかり手応えを得て前半を終えると、後半の立ち上がりに左サイドからマローニー→コネ→マッカーシーとワンタッチで繋ぎトッテナムの守備陣形を崩すと、最後は右からマクマナマンが飛び込みノートンをかわして左足でシュートをゴールへ突き刺し逆転に成功。こうなるとウィガンより一層気合が入り、攻撃に割く人数は少ないものの1トップのコネが体を張ったキープを見せトッテナムに得点を許さなかった。


 ウィガンの崩しとトッテナムの守備の甘さ

①ボーセジュールからマローニーへパス。



②受けたマローニーが横のスペースに走り込むコネへパス。ここでドーソン、ハドルストン、ベイルの3人はまったくチェックに行っていない。



③こうして縦は切っているものの中盤はスペースが空いてしまう。



④そしてボールを受けたマッカーシーにホルトビーがチェックに行くが



⑤フリーのマクマナマンにパスを通される。そこでノートンが急いで対応に向かうも、、、



⑥マクマナマンはワンタッチのトラップで中に切れ込み、



⑦シュートを打たれ逆転を許してしまった。


この場面は左サイドから右へのウィガンの崩しが見事だったが、トッテナムの後手後手の対応にも問題があったゴールシーンだった。今季も上位チームの中では失点数が多く、ここは来季へ向けて課題となるところだろう。


ここからが強いトッテナム


それでも決して諦めないのが今季のトッテナム、そしてビラス・ボアス監督の交代策である。74分にパーカーに替え負傷明けのレノンを投入すると、4-2-3-1にシステムを変更し、攻撃的な選手を増やし得点を奪いにかかる。


これが実り、試合終了間際に右サイドからウォーカーがドリブルで侵入すると、ボーセジュールに倒され深い位置でFKを獲得。このFKをハドルストンが冷静にグラウンダーでクロスを入れ、それにいち早く反応したベイルが上手くミートこそ出来なかったものの方向を変えると、後ろにいたボイスの足に当たりオウンゴールを演出。


マンチェスターC戦での終盤での大逆転劇に続き、こうして土壇場で勝ち点1と手に入れたトッテナム。この試合に勝てず目標の4位以内にこそ入ることはできていないが、チェルシーとの直接対決がまだ残っており、後々貴重なものとなる可能性もあるこの勝ち点1を取れたことは大きい。一方のウィガンも勝ちが見えた試合だっただけに悔しさは残るが、残留争いのこの時期はめっぽう強いだけにこれを教訓に粘りを見せたいところだ。

【フットボール戦略論】

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