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フットボール戦略論

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2013/04/10 UCL 準々決勝 2Leg ユベントス v バイエルン



  ユベントス 
0 - 2
  バイエルン

1Legは0-2
トータル0-4でバイエルンが準決勝進出

64   マンジュキッチ
91   ピサーロ


  コンテ監督
「選手たちは見事なことをやってのけたよ。18カ月でイタリア国内では勝利を取り戻し、欧州ではベスト8に入ったんだ。大きなことだよ。負けるのは誰だって好きじゃない。だが、自分たちよりもずっと強い相手と対戦したときは、それを認めなければいけないよ。そして、バイエルンは何年も前からそうやって強いんだ。我々と彼らの間に大きなギャップがあるのは当然だ」
Goal.com

  ハインケス監督
「ユベントスが最初からプレッシャーをかけてくることはわかっていた。ボールロストが多かったし、守備の連携で問題があった。しかし少しずつし合いをコントロールできるようになった。後半は素晴らしいプレーが見られた。油断することなく最後まで戦った。勝ちに順当するプレーだった。」
バイエルン公式


■ バイエルンがアウェイでも2点を取り完封と文句なしのベスト4入りを決め準決勝進出。ファーストレグの時点(前回対戦詳細)でも圧倒的な強さを見せていた上、4-2-3-1に対する3-5-2の立ち回りの不利といった問題などもあり戦前の予想通りとも言える試合ではあった。


しかしこの日のユベントスに関して言えばそういったシステム上の問題は守備の面では問題はなかった。少なくとも前半まではユベントスに主導権はあった。それにも関わらず2試合で得点が奪えなかった。このことが重要な点だろう。


何故ユベントスは得点が奪えなかったのか?


前半はセンターバックの3人のビルドアップからフリーのピルロへの縦パスが有効的に入っていた。一列前に位置するポグバも裏への飛び出しでそのボールを受けるなど流れは良かった。


このピルロへパスもマンジュキッチのプレスバックやミュラーらが囲い込み出目を潰そうとはしていたが、それを交わしながらもパスを送り続けたピルロは流石だった。


それにも関わらず点が奪えなかったのは、ピルロがサイドへ張っているKアサモアパドインへロングパスを入れ突破を図る、3-5-2ユベントスの攻撃パターンの一つであるサイドアタックが機能しなかったことに尽きる。


ここでサイドからドリブルで侵入できていればバイエルンの中に絞った守備も開いてスペースはできたはずだ。しかしフリーで受けてはゴールラインまで突破を図らず安易なクロス、そしてピルロにパスを戻すという事を繰り返しチャンスは少なかった。


こう聞くとウイングバックだけのの責任のように思えてしまうがそうではない。実際にウイングバックは守備時は最終ラインまで戻って5バックになる必要があるため相当な運動量を要する(インテルの長友を見ればわかるだろう)。


なので中盤のマルキージオポグバ、さらには前線のクアリアレッラヴチニッチもサイドに出てフォローすることで守備陣のマークをずらす必要があった。しかし2点が必要という状態で中へ中への意識が強すぎてそこが補えていなかったのは残念だった。


結果、スタミナを奪われサイドの上下動は減りウイングバックの守備へ回る時間も増えてしまった。


バイエルンの時間へ


こうなるとバイエルンのラームアラバの負担は減り、60分辺りからはボランチながら攻撃時の繋ぎにも参加できるシュバインシュタイガーJマルティネスの2人を合わせた4人でワイドにパスを回せる状態となり完全に押し込まれ2失点を喫しての敗戦となってしまった。


戦力に関してバイエルンが優れていることは戦前からわかっていた。もちろんユベントスがチャンピオンズリーグの舞台へ戻ってきた事で楽しみが増えたのも確かで来季以降のコンテ監督の采配に期待したい。


一方のバイエルンはミュラークロースアラバらの若手が経験を積み、マンジュキッチJマルティネスダンチ等の、各ポジションに弱点を補う補強も行った。昨季チャンピオンズリーグ決勝で敗北してから更に洗練されたチームが2000-01シーズンから遠ざかっているタイトルを獲得することが出来るのか注目したい。

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