ミラン
1-0
ユベントス
31
ロビーニョ
アレッグリ監督
「素晴らしいパフォーマンスだった? 選手たちがそれを求めたからできたんだ。ユーヴェには枠内 シュートを1本しか許さなかった。我々は少なくとも4、5回のビッグチャンスをつくったね。もっとうまくやれたはずだ。だがとにかく、1年半前からとても うまくやっているチームを相手に、今日は最大限のプレーをしたよ」
アレッシオ監督代行
「我々はチームとしてプレーできなかった。ウチのプレーはコレクティブで成り立っている。それが あるときの結果は見てのとおりだ。改善し、今夜見せたのとは違う姿勢でなければいけないことは分かっている。ミラン戦なら普通は自然とエネルギーが出るものだが、今日は残念ながら望んでいたプレーができなかった」
■ サンシーロで首位ユベントスを破ったミラン。その勝因として挙げられるのが主にこの3つです。
① ミランの数的優位を保つ守備
② ユベントス2トップの役割
③ ミラン前線の効果的な動き
① ミランの数的優位を保つ守備
前半からミランを敵陣に押し込み、ピルロより前の6人が攻めるユベントス。これはいつものユベントスのやり方です。それに対してミランは前線の3人を残して7人で守る状態が常に保たれていました。こうして数的優位を作り出したことでまずは失点のリスクを減らします。
この状態でピルロが前の選手に短・長のロングパスを繰り出しますが、その先の展開力に乏しく決定的なチャンスは作り出せません。後半に入ってもクロスボールを何度も放り込んできたユベントスに対して、メクセスとジェペスが体を張ってしっかり跳ね返しシュートを打たせませんでした。
さらにミランは攻め込んだ後のユベントスのカウンターに対しては、まずボールホルダーにチェックにいき中盤で縦のコースを止めパスカット。さらにそれが実らずセンターサークル付近までボールを回されると、早く自陣に戻りブロックを作り危険な状態を作られない守備を構築できていました。
② ユベントス2トップの役割
引かれた状態の相手に対してなかなかボールの持てないユベントスのヴチニッチとクアリアレッラの2トップは引いてボールを欲しがりました。これで相手センターバックを引きつけられればまだ良かったのですが、2人とも下がってしまっては前に飛び出せる選手もいなくなってしまい攻撃が手詰まりとなってしまいます。
後半途中にはクアリアレッラに替えドリブルで仕掛けられるジョビンコを入れて前線を活性化
し惜しいチャンスを作り出すもアメーリアの好セーブもありゴールは奪えませんでした。
③ ミラン前線の効果的な動き
それに対しミランの攻撃はまずリトリートしてエル・シャーラウィがビダルの上がりをケアするなど引いて守る。そこからボアテンク、ロビーニョ、エル・シャーラウィの3人による速攻でユベントスゴール前まで一気に詰め寄るという攻撃を前半から徹底しました。
特にキエッリーニが負傷でセンターバック3枚の左にカセレスを起用したこともありそこは狙っていたところでしょう。この形を続ける中で、そのユベントス左サイドからロビーニョがクロスを入れ
、それがゴール前でのイスラのハンドを誘いPKを奪取。これをロビーニョが冷静に決めて良い時間帯で先制することに成功しました。
この後もロビーニョとエル・シャーラウィの素早いポジションチェンジとドリブルについていけず、ユベントスのセンターバック陣は苦しみファールでしか止められない状況でした。
■ 試合後もPKの判定は問題になっていましたしドローでもおかしくない内容ではあったわけですが、名門同士ということもあり順位以上に締まった試合となりました。
首位は保っているものの、リーグ戦2敗目のユベントス。チャンピオンズリーグと並行で進めていく為、昨季まで見せていたハイプレスと後ろからの飛び出しができる場面が限られています。その中でどう戦っていくかはやはり12月9日のパレルモ戦から復帰するコンテに期待というところでしょうか。
【フットボール戦略論】
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