アーセナル 1st
2 - 0
リバプール 3rd
19
カソルラ
59
ラムジー
ベンゲル監督
「好チームを相手に納得の勝利を収めた。それは我々が求めていたものだ。もちろん、全員が今日のリアクションを待っていた。とてもポジティブな方法でやれたね」
「良いゴールが決まり、その後にも大きなチャンスが何度もあった。そして、(MFアーロン・)ラムジーが驚くべきゴールを挙げたよ。ただ、その前後にもチャンスはあったね」Goal.com
ロジャース監督
「ベストチームが勝ったと思う。2失点については、どちらももっとうまく対処できたと思う。相手はフィニッシュまでうまくやった。我々はチャンスをつくったが、ボールをネットにおさめることはできなかったね」
「10試合を終えて、良い分析ができる。今の位置を考えたらね。選手たちは序盤戦で素晴らしい活躍をした。トップ4を争うチャンスがあるということを十分に示していると思う。それが我々のやろうとしていることだ」 Goal.com
アーセナル
上位の直接対決となったこの試合はアーセナルが3バックのリバプールを翻弄し、結果以上に内容で完勝した試合となった。前半からボールポゼッションを握り、守備ではボールロスト後は素早く数人で囲い込むことを徹底 。攻撃では
カソルラ、
エジル、
ロシツキーの2列目の選手が自由にポジションを変えて、リバプール守備陣のマークを外す。さらに
アルテタ、
ラムジーと3列目の選手までもが流動的に前に顔出し、攻撃の形を作り主導権を握り続けた。
□先制点のシーン「相手のポジショニングをずらすパスワークでの打開」
相手の守備陣系が整っているにどうこじ開けるのか。この得点シーンではその一つの答えを見せてくれたアーセナル。このシーンではまず左サイドからボールを進めたが、前へのパスコースがなく、バックパスをしながら一旦ゴールキーパーまでボールを戻した。そこからどう崩したのか展開を見ていく。
まず
スタリッジ、
スアレスの2トップが前線を押し上げる中で、
シュチェスニーからボールを受けた
サーニャが
ラムジーへボールを戻す。その
ラムジーは
ヘンダーソンを引き寄せたところで中の
アルテタへパスを出す。
②パスを受けた
アルテタの前方には
ヘンダーソンが前に出たことで、広大なスペースが開いている。
Aシソコはそこを消しに行きたいが、
サーニャのも攻め上がってくるため行けず。
③こうして、
アルテタはそのスペースを使いフリーで前進。一方の逆サイドでは、
ジェラードと
フラナガンが中央に流れている
カソルラをフリーにしてしまっている。これが後々効いてくることになる。
④ドリブルで相手陣内まで侵入した
アルテタ。これに対しセンターバックの
サコーが前に出るが、
サーニャが
Aシソコを振りきって裏のスペースへ走り込み、そこへパスが通る。
⑤ここで、中央からフリーランしてきた
カソルラが
サーニャからのマイナスのクロスを受ける。
フラナガンと
ジェラードは③のシーンからまったくマークに付かずにいたことが、ここで問題なってしまう。例えばアンカーの
ルーカスがここに付けばいいのではないか?と思うかもしれないが、すでに中央の
エジルと
ロシツキーに注意を払っている状態であり、
カソルラまでマークすることはできない。
⑥最終的に
カソルラのヘッドはゴールポストに当たるも、誰よりも早く再び反応した
カソルラが押し込み先制点を奪った。
■アーセナルの2列目のポジショニング
先制後も、
ロシツキーと
カソルラがサイドから中央へ入ってゲームを組み立てる。この動きに対してリバプールは対応ができなかった。こうして優位に試合を進めたアーセナルは、後半にも
ラムジーがシュートを決め2-0と勝利し3連勝。首位をがっちりキープした。
リバプール
3バックで戦ったリバプールは守備では上記の通り、アーセナルの自由自在のパスワークに対応できず、攻撃でも
スタリッジと
スアレスの2トップに委任した攻撃のみで無得点に終わってしまった。
ロジャース監督は1点リードされた後半、
Aシソコに代えて
コウチーニョを投入し
フラナガンを右サイドバックに置いた4-4-2に変更し得点を狙う戦術変更を行った。。しかし、守備ではアーセナルの3列目からの上がりに対応できずに追加点を許してしまう。
その後もフラナガンに代えモーゼスを投入し、ヘンダーソンを右サイドバックに置いたた攻撃的な采配に打って出たリバプール。それでも得点は生まれず敗戦を喫してしまった。前線二枚の攻撃力は脅威ではあるものの、リバプールはアーセナルの穴である
セントラルミッドフィルダーの位置を突く攻撃がなく、採用したシステム面で裏目に出てしまった試合であるように思えた。
■過去の分析試合