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フットボール戦略論

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2013/05/04 SERIE-A 35節 フィオレンティーナ v ローマ




  フィオレンティーナ
0 - 1
  ローマ

85   オズバルド


 モンテッラ監督
「手厳しい敗戦だ。我々は3位争いをしているからね。非常に残念だよ。選手たちをたたえなければいけない。気持ちを出して戦い、ピッチでアイディアを見せた。このグループは非常に強い。明日、またここからリスタートだ」

「序盤は互角のスタートになり、後半は我々が支配した。こちらはたくさんクロスを入れていたから、ルカの高さが大きな力になると思ったんだ」
Goal.com

  アンドレアッツォーリ監督
「前半は互角だった。後半からフィオレンティーナが上手くボールを動かしてきた。我々はそうしてくることを知っていたので、プレッシャーに耐えなければならなかったが、その後3,4回のカウンターを有効に仕掛けられた。」
ローマ公式

■ 勝ち点1差で3位ミランを追う3連勝中の4位フィオレンティーナは圧倒的に攻めたものの、ローマのカウンタ攻撃一発に沈み来季チャンピオンズリーグ出場に向け痛い敗戦となった。


前半は互いにラインが低く、自陣に引いて守りそこからパスをしっかり繋いで攻めたため往復の多い展開となった。こうなると隙を突いたカウンターしか得点のチャンスはないという雰囲気が漂っていたももの、後半はフィオレンティーナが主導権を握ることに成功。


その理由はローマがセカンドボールを拾えなくなったからであり、ファールで止めるシーンが目立つようになった。そのためフィオレンティーナが前でボールを持つ時間が広くなると、グアドラードの機動力を生かした攻め上がりからヨベティッチリャイッチがワンツーや飛び出し、エリア内まで行くシーンが増える結果に。


堅い組織的守備


しかし今日のローマはここからが一味違った。個人的なイメージとしてローマに堅い守備というイメージはなかったのだが(ゼーマン監督時代は特に)、今日はバルザレッティブルディッソの両センターバックを中心に、前線のオズバルドトッティ以外は常時引いて守り通す戦術を展開。


これに対抗するためフィオレンティーナはヨベティッチに替えトーニを投入。細かいパスでの崩しに変えクロスボールを放り込む戦術に変えゴールを奪いに出る。


だが、ここでもLカスタンブルディッソがクロスボールをことごとく弾く活躍を見せシュートを打たせない。こうして耐えに耐えたローマがアディショナルタイムにカウンターからの流れの中で得たコーナキックをオズバルドがしっかりヘディングで決めて最後の最後で勝ち点3を奪うことに成功した。


ローマはまだ上位のナポリ、ミラン戦を残すためここをどう戦っていけるかで来季へのプランも見えてくるだろう。逆にフィオレンティーナはここでの敗戦を引きずらずに下位との残り3試合を戦っていけるかどうかがポイントとなってくる。


■ フィオレンティーナの小気味よいパス回しとそれに上手く対応したローマ


①中央に下がってボールを受けたヨベティッチとリャイッチがローマ守備陣を崩しにかかるシーンから。




②まずリャイッチが縦へ仕掛けると同時に、ヨベティッチがマークを外すために中のスペースへ動く。




③こうしてフリーになったヨベティッチにパスを出すリャイッチ。



④しかしこれに対しローマの対応は早かった。ブラッドリーに加えてCBのLカスタンも素早い寄せを見せ、



⑤しっかり2人で囲い込み突破を許さない。更にデ・ロッシもリャイッチへのパスコースを切りに動いていた。





⑥こうして中央を遮られたヨベティッチはサイドからの攻撃へ切り替える。




⑦まずグアドラードがヨベティッチからボールを受け




⑧右サイドのトモビッチへパスを送る。だがここでもローマのチェックは早く、フロレンツィとバルザレッティがパス出しと同時に動き出し、



⑨しっかりと前へのパスコースを押さえ込んだ。こうして組織的な守備を見せたローマはここ4試合で11得点を取っていたフィオレンティーナを完封してみせた。


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