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2013/06/01 DFBポカール 決勝 バイエルン v シュツットガルト


  バイエルン
3 - 2
  シュツットガルト

36   ミュラー
48   ゴメス
61   ゴメス
71   ハルニク
80   ハルニク


  ハインケス監督
「感動的な瞬間だ。私は4日に最後の会見を行う。そこで今後について言うよ。どうするかをね。チームは今日、最高のプレゼントをしてくれた。この3冠は唯一無二のものだ。決定的な要素となったのは、チームスピリットだよ。全員がお互いを支えたんだ」
Goal.com

 
ラッバディア監督
「我々はトロフィーを獲得したかった。難しい任務であることは分かっていたがね。とても落胆しているよ。それは認めなければいけない。だが、我々は素晴らしいカップ戦を送ってきた。シュトゥットガルトでずっとこういうところまで来たいと思う。だが、我々はこれから多くの変更が必要だ」
Goal.com

■ バイエルン
勝利したバイエルンはチャンピオンズリーグ決勝のドルトムント戦と同じく、この試合でも開始から勢いよく来たシュツットガルトに対して冷静に処理し、落ち着いてゲームに入った。


守備面ではこうして安定した運びを見せていたが、攻撃面ではロッベンのドリブル突破が目立つくらいで、正直失点すればどうなるかわからないといった状況が続いていた。特にゴメスは前線での動き出しのタイミングが合わず、シュートも枠に飛ばないなど攻撃の迫力はイマイチという印象が目立った前半だった。


しかし、こうしてペースを握られながらも前半にしっかり先制点を奪えるという試合巧者ぶりが、まさに王者といったところだろうか。36分にオーバーラップしたラームがボカに倒されPKを得ると、ミュラーがしっかりこれを決め先制しリードを奪って前半を終える。


こうなるとバイエルンは強い。後半はまさに今季のバイエルンを象徴するゴールシーンの連続だった。そこで、まず48分のゴールを見てもらいたい。


■ バイエルンの2得点目のシーン「バイエルンの得意パターン


①後方のボアテングのロングフィードが前線に入り



②これをDFがクリアするも、ボールは右に開いたロッベンに渡ってしまう。



③こうしてボールを持ったロッベンモリナーロの一対一の状況に。



④そしてロッベンがペナルティエリアへ侵入するとともにラームが一気にオーバーラップしてくる。



⑤こうしてロッベンにはA、カットインB、ラームへパスのという2つの選択肢が出来た結果、守備陣は対応が難しくなる。さらにミュラーがニアに飛び込むことでC、ミュラーへのパスという選択も生まれたため、ファーのタスチも対応に行く。



⑥結果的にロッベンの選択はB、ラームへパスだった。



⑦これによって対応が遅れたシュツットガルト守備陣はゴール前でラームをフリーにし、更に⑤でニアに寄せられたため、ファーのゴメスもフリーでクロスボールを流しこむだけでよかった。
この様にバイエルンの攻撃はCBからのビルドアップ→サイド攻撃→中央でシュートというパターン化している。それでも止められないのはロッベンの調子の良さもあるだろう。普段なら闇雲にカットインからのシュートで外すことも多いが、最近は冷静さがあり周りがしっかり見えている。こうなると右のリベリ同様非常に止めづらい選手になる。


■ バイエルンの3得点目のシーン「足の止まったシュツットガルト
 

シュバインシュタイガー中盤でボールを受けると、まずミュラーがサイドへ流れる。



②このタイミングでシュバインシュタイガートラオレボカの間を通すパスを送る。まず第一にここで縦を抑えておけば、簡単にゴールは許さなかったはずだ。

さらにミュラーに対しても左サイドバックのモリナーロが体を当てに行くが、



③あっさりと振り切られフリーに。そして中央でもゴメスが動き出す。


④こうして完全に裏を崩され追加点を許してしまった。この一連のシーンを見ても分かる通り、3点目はシュツットガルトの足が止まり始めた時間帯にトドメを刺すゴールをしっかり取っている。この辺りはチャンピオンズリーグ準決勝セカンドレグのバルセロナ戦を思わせるもので、流石と言えるゴールだった。

この時点で個人的に勝ちはバイエルンで決まりだと思って見ていたが、まさか1点差まで追い詰められるとは思いもしなかった。この展開にバイエルンの選手に油断があったことは否めないが、今回は3得点を決めて逃げ切ったバイエルンを評価したい。


■ シュツットガルト
シュツットガルトは敗れたものの、結果はもちろん試合内容も決勝戦にふさわしいものを見せてくれた。守備では前半から最終ラインを高くし、前線からプレスをかけバイエルンのビルドアップを封じ、奪ってからはワイドに開いた陣形からのパス回しを中心に攻める。特にマキシムが随所に顔を出し起点となり、左に開いたトラオレがサイド突破を図るなど決定機を作り出し、バイエルン相手に主導権を握った。しかし、このチャンスを生かしゴールをこじ開けることはできなかった。この前半の良い時間帯のチャンスを逃したことがこの試合の敗因だろう。


しかし終盤の追い上げは見事だった。そしてこれを演出したのが岡崎慎司と酒井高徳の2人の日本人である。結果的にこの攻撃的な交替がゲームを動かすこととなった。ラッバディア監督は3点差を付けられた時点で動き出した。まず62分にマキシムに替えて岡崎、さらに67分にはモリナーロに替えて酒井を投入する。


まず
酒井は、投入後すぐにハルニクへ合わせる浅い位置からのクロスで1点目をアシストすると、さらに2点目に繋がるコーナキックのキッカーとしての役割も果たし、少ない時間ながら存在感を見せつけた。今回は守備を考慮してのスタメン落ちだと思われるが、来季はそれでも使われるような選手となれるように頑張って欲しい。


岡崎に関しては2点目のシーンでコーナキックからのこぼれ球をシュートしポストに当てた場面を挙げたい。このシュートはポストに当たったもののこれをハルニクが詰めたことでゴールが決まった。今シーズンはリーグ戦1ゴールに終わっていただけに決めて来季に繋げたいところではあったのだが、その前の積極的なチェイスも含め追い上げに貢献したことは確かだ。
 
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